広島・菊池が見せつけた「振る力」の源泉とは? 「風に乗ってくれた」通算4本目の先頭打者弾

[ 2023年5月29日 06:31 ]

セ・リーグ   広島3―1ヤクルト ( 2023年5月28日    マツダ )

<広・ヤ>ヒーローインタビューを終えファンの声援に応える菊池 (撮影・奥 調)
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 広島は28日、ヤクルトに3―1で快勝。今季4度目の同一カード3連勝を飾り、同戦の連勝を6に伸ばした。菊池涼介内野手(33)が初回に通算4本目の先頭打者弾を左中間席へ運ぶと、5回には中前打でつないで2点攻撃をお膳立て。ドリュー・アンダーソン投手(29)は7回1失点の好投で3勝目だ。チームは貯金2として、30日から交流戦に挑む。 

 公称は身長1メートル71、体重71キロ。小柄でも、強振が許される場面では実にパワフルだ。初回から持ち味を発揮したリードオフマン。菊池が“振る力”を見せつけ、チームを勢いづけた。

 「少し合わせ過ぎた感じだったので、手応えはさほどなかったけど、風があったから。風に乗ってくれた」

 右翼から左翼への風を確認して臨んだ第1打席。カウント2―1からの外角直球を左中間席へ叩き込んだ。先制点をもたらす今季3号は、21年6月13日のオリックス戦以来となる通算4本目の先頭打者弾。自慢のスイング力がタイミングのずれを補った。

 ホワイトアッシュ製の愛用バットは「遠心力(の利用)を考え」長さ34インチ。振る力の源泉は3番を担い、長打を求められていた中京学院大時代にさかのぼる。重さ2キロのバットを使ってカーブマシンなどを打ち、スイング力に磨きを掛けた。

 「今までは送る側だったけど、今は出塁して走る側。役割が逆で難しさはある。でも、日々勉強。自分自身に新しい発見があるし、考えながら野球をやっているので楽しいよ」

 開幕2戦目の4月1日から座り続ける1番打者。5回には2番時代に修練された、つなぎ役として貴重な追加点をお膳立てする。1死一塁で、フルカウントからの外角直球を中前に運んで一、三塁に好機拡大。上本の2点三塁打を呼んだ。

 18年以来5年ぶりのヤクルト戦6連勝、今季4度目の同一カード3連勝に貢献する2安打1打点。「キクの先頭打者弾は見事」。新井監督は、リードオフマンの一発を称える。あす30日からの交流戦については「結果は私が受け止める。選手は何も気にせずガンガンいってくれればいい」と強調した。

 過去に何度も苦汁をなめたパ・リーグとの18試合。菊池もまた言葉に力を込める。

 「3連勝し、移動日で1日空くのでリフレッシュして。鬼門と言われているけど、そんなの関係なくフラットにイチから行きたい」

 初戦は敵地・京セラドームでオリックスと3連戦。振って、つないで、走って――。新リードオフマンが対応力を生かしてチームを鬼門突破へと導く。(江尾 卓也)

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