西武“あんこ3兄弟末っ子”渡部 どすこい同点打!“兄”不在の危機に連敗ストップ貢献

[ 2023年5月29日 05:20 ]

パ・リーグ   西武3-2オリックス ( 2023年5月28日    ベルーナD )

<西・オ>5回、適時打を放つ渡部(撮影・白鳥 佳樹)
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 体重116キロの巨体を揺らし一塁ベースを回ると、右拳を強く握りしめた。西武・渡部が4連敗中だったチームを救う貴重な同点打。中村、山川が座ってきた4番で大仕事を果たし、伝統の「巨漢スラッガー」の系譜に新たな名前を刻んだ。

 「みんながつないでくれたので還したかった。押せ押せムードで盛り上がっていたし、気持ち良かったです」

 26日の午後10時半。西口2軍監督からの電話が鳴った。「3軍が明日新潟遠征だから、明日はベルーナドームに行ってくれ」。渡部は慌てて「えっ!どういうことですか?」と困惑して聞き返すと、改めて今季初の1軍昇格だとネタバラシを受けた。主に4番だった中村が右脇腹痛で出場登録を外れた。前日から4番で出場。巡ってきたチャンスで20年ドラフト1位が燃えた。

 1点を追う5回1死一、二塁。カウント0―2から左前に運ぶ同点適時打。2年ぶりの打点はチーム6試合ぶりの複数得点となり、逆転を呼び込む。「中途半端な空振りだけはやめようと。思い切って振った結果」。昨年は1軍出場なし。今季も2軍暮らしが続いた中で、助言をくれたのが山川だった。主砲がチームを離れる前の4月に食事をし「とにかく甘いボールを待って、しっかり振りにいくだけ」と背中を押された。その言葉通り、追い込まれても動じることなく強く叩いた。

 松井監督は「いい結果も悔しい結果も、本人にとって大きな財産になる」と大役に抜てきした。いつもは楽しみな昼食も1軍では緊張で喉が通らず、プロテインと、イニング間に食べるおにぎりで補う。大柄でも心は繊細な24歳は「今は小さくならずに、大きく、どっしりと構えている。やっぱり4番はチームの顔なので」。いずれも身長1メートル75~76、体重100キロ超のあんこ3兄弟の末弟。兄2人が不在のチームで魅惑の可能性が花開き始めた。(福井 亮太)

 ▼桐蔭横浜大・斉藤博久監督(チームは今春神奈川大学野球で優勝)1軍に昇格した時も連絡をくれました。いきなり1軍で4番だったのでびっくりしました。完璧な当たりじゃないけど結果が残って良かった。プレッシャーを感じずに、このチャンスを何とかつかんでほしいです。

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