アスリート指先ケア専門家が語るマメ対処法 新陳代謝促進で内側からのアプローチも

[ 2023年5月29日 05:30 ]

パ・リーグ   ロッテ9-5ソフトバンク ( 2023年5月28日    ペイペイD )

ロッテ・佐々木朗希
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 令和の怪物が変わらぬ力強さで帰ってきた。ロッテ・佐々木朗希投手(21)は28日、ソフトバンク戦で23日ぶりに先発し、6回82球を投げ、3安打2失点で今季無傷の4連勝を飾った。5日の同戦で右手中指にマメができて5回無安打で降板した右腕は、最速164キロをマークするなど影響を感じさせず9奪三振。チームは9―5で勝利した。

 野球、陸上競技など多くの選手の手足の指先のケアをサポートする株式会社tsumeplusの代表取締役でアスリートネイル協会認定アドバイザーの大塚裕司さん(43)にマメやタコなどがパフォーマンスに与える影響を聞いた。

 マメとは強い圧迫や摩擦などによって皮膚の下に分泌液がたまった水膨れのこと。タコは刺激が繰り返されることで皮膚の角質が防御反応として厚く硬くなって盛り上がったものを指す。「タコができて皮が厚くなると指先は乾燥しやすい。滑って制球に影響したり、ボールに力が伝わらず回転数に影響が出たりする。適度に弾力ある状態で投げることで、しっかりボールがかかる感覚で投げられる」と指摘。「シーズン通じて投げていけば、タコが硬く厚くなっていく。タコがあるから投げられている投手もいるが、タコが爪割れにつながる場合があり、保湿で肌と爪の柔軟性を保つ予防が重要。タコが大きく育たないよう、目の細かいヤスリなどで整えることも大事」と訴えた。

 できやすい個々の体質については「変えるのは難しい」と断言。「栄養あるものをバランス良く食べ、しっかり寝て状態を整える。そうして新陳代謝が促進されれば、皮膚の生まれ変わるサイクルを早められる。そういう内側からのアプローチと、外側の指先全体を整えていくことが大切」と対処法を挙げた。

 投手は球種によって握りが変わり、リリース時にどの指が最後まで残るかも異なる。「どの球種を武器にしたいのか、それに合わせた爪の形に整えるなど、体に向き合うことが重要」と説いた。

 【本紙評論家も対処法説明】

 ≪森繁和氏 球が指にかかっている証拠≫マメができたり爪が割れたりするのは、やはり体質があると思う。私は現役時代、ほとんどマメはできなかった。春季キャンプの初めに小さな血マメができた程度だ。覚えているのは、机をトントンと指先で叩いて鍛えたりしたこと。投手コーチを務めていた時は、必ずマメができる投手がいた。季節の変わり目や湿気などの影響もあるのだろう。ロジンをつけて滑り止めで手がべたつくと、それでマメができてしまうという投手も。また、調子がいい時にマメはできやすい。佐々木朗もそうだが、ボールが指にかかっている証拠といえる。中指は他の指より長いので特にボールにかかりやすい。

 ≪牛島和彦氏 自分のマメの感覚つかんで≫私は高校時代から指にマメができるタイプで、逆にマメがないと投げられなかった。リリースで指先でボールを切る時に、マメがないと痛みを感じてしまう。だから自主トレやキャンプで、つぶさないようにマメをつくるのも仕事だった。つぶれそうな大きさになると投げていて違和感が出てくる。その時は風呂でお湯につけるなどして指先をふやけさせて、表面からめくっていった。私はリリーフ投手だったので、マメと爪は毎日手入れをしていた。やはり体質はあるし、マメができない投手も多い。佐々木朗も自分のマメの「感覚」をつかんで、対処や手入れの仕方を覚えていってほしいと思う。

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