ロッテ・朗希 無傷の開幕4連勝!中22日…右手マメの不安を一掃、最速164キロ出た

[ 2023年5月29日 05:30 ]

パ・リーグ   ロッテ9-5ソフトバンク ( 2023年5月28日    ペイペイD )

<ソ・ロ>初回、中村奨の2ランにガッツポーズで喜ぶ佐々木朗(撮影・岡田 丈靖)
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 令和の怪物が変わらぬ力強さで帰ってきた。ロッテ・佐々木朗希投手(21)は28日、ソフトバンク戦で23日ぶりに先発し、6回82球を投げ、3安打2失点で今季無傷の4連勝を飾った。5日の同戦で右手中指にマメができて5回無安打で降板した右腕は、最速164キロをマークするなど影響を感じさせず9奪三振。チームは9―5で勝利し、敵地ペイペイドームでの連敗を7で止め、単独首位を守って交流戦へと向かう。

 不安を一掃した。帰ってきた佐々木朗が圧倒した。初回の初球にいきなり160キロをマークすると、最速164キロを3球投げ、3回までは完全投球。安打どころか、外野にボールを飛ばすことさえ許さない。マメができた影響で5回無安打ながら降板した前回5日のソフトバンク戦と合わせれば、8イニング連続無安打投球でねじ伏せた。

 4回に牧原大の適時三塁打と近藤の犠飛で2点を失った。吉井監督が「5回で終わりかなと思った」という6回も志願続投。中村晃に右前打されるとギアを上げ、牧原大を二ゴロ、近藤を160キロ直球、柳田をフォークで連続三振に斬った。

 「先制点を取ってもらい、自分の形、テンポで投げることができた。6回は今日一番大事な場面、抑えられて良かったです」

 調整登板は挟まず、中22日。「体はフレッシュな状態だったので出力は出ていた」の言葉通り、46球の直球のうち、33球が160キロ超。平均球速160・7キロは、今季通算の159・6キロを上回った。9三振で今季59三振とし、規定投球回には未達ながら、12球団トップに躍り出た。

 昨年7月にマメで離脱した際は復帰まで約1カ月を要した。エンゼルス・大谷も苦しむことがあり、剛球投手の宿命か。体質によるところも大きく、復帰時期は慎重に見定めた。トレーナーが昨年のマメの経過状態を克明に写真で記録しており、比較しながら調整。指への負荷のかけ方や、キャッチボールするタイミングなど、繊細に探った。当初はローテーション1回飛ばしを見込み出場選手登録も抹消しなかったが、3週間以上かかった。

 表皮の下層で作られた新しい皮膚が、一番外側の角質となってはがれる「ターンオーバー」の周期は一般的に約4週間、スポーツ選手ら代謝の良い人で約3週間とされる。雨天中止によるローテーション再編で当初21日だった復帰が1週間先送りできたことも幸いし、試合勘などブランクも感じさせなかった。

 「簡単ではなかったけど、適切な選択をして今日、無事に投げられて良かった」

 打線も9安打9得点と援護し、昨季から続いたペイペイドームでの連敗は7でストップ。30日からの交流戦へ、単独首位で臨むのは球団では13年以来10年ぶり4度目だ。「次はもっと長い回を、もっと球数を投げられるように準備したい」。順調なら6月4日の阪神戦(甲子園)での登板が見込まれている。(大内 辰祐)

 ▽佐々木朗の昨季の離脱 7月1日の楽天戦で4回10奪三振と快投の中、右手中指のマメがつぶれて緊急降板。翌2日に登録抹消となった。10日後の12日にはブルペン投球を再開したが、慎重に調整を重ね、27日の球宴第2戦(松山)で約1カ月ぶりの実戦復帰。日本人球宴最速タイの162キロをマークしたが、公式戦復帰となった8月3日の楽天戦では5回1/3を86球、自己ワーストの5失点で降板。前半戦で6勝1敗も、後半戦は3勝3敗で、2桁10勝や規定投球回に届かなかった。

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