“東MAX”な97球完封で“東マダックス”に!DeNA7連勝首位快走 球団最多4月16勝

[ 2023年5月1日 05:30 ]

セ・リーグ   DeNA2-0中日 ( 2023年4月30日    バンテリンD )

<中・D>完封勝利で3勝目を挙げ、ウイニングボールを手にスタンドの声援に応える東(撮影・椎名 航)
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 “東MAX(アズマックス)”な快投で“アズマダックス”を演じた。DeNAの東克樹投手(27)が30日、中日戦で散発4安打無四球で二塁を踏ませず、自身5年ぶり2度目の完封勝利で3勝目を挙げた。球数はわずか97球。100球以内で完封する「マダックス」は、球団の左腕では70年の鬼頭洋以来53年ぶり。チームは7連勝で球団最多の4月16勝目。首位快走に“東MAX”な拍車を掛けた。

 軽快に97球を投げきった。東の直球最速は147キロ。それでも切れがあるから打たれない。鮮やかな完封ショーにヒーローインタビューでテンションは“東MAX”になった。

 「両親や親戚、自分の娘、友人を含めてたくさん来てくれている。その前で完封できて良かった」。名古屋市に近い三重県四日市市出身。愛工大名電で高校3年間は名古屋市で過ごした。関係者が30人以上駆けつけた中、声援を力に変えた。

 初回。いきなり初球を1番岡林に中前打されたが、1死後に昨年までの同僚・細川を134キロツーシームで二ゴロ併殺に斬った。リズムをつかむと、ストライクゾーンで攻める持ち味を発揮。「しっかり投げ自分有利のカウントに持ち込めた」。散発4安打で二塁も踏ませず、無四球完封。三浦監督も「集中力を切らさず投げきってくれた」と称賛した。

 完封は新人時代の18年以来5年ぶり2度目。しかも97球に収める「マダックス」だ。今季28イニングでいまだ0四死球。投球時に右足を1足分、一塁側へインステップすることで体の開きを抑え、向上した制球力がなせる業だった。球団左腕では70年の鬼頭以来53年ぶりで「球数は気にしてなかったけどうれしい」と喜んだ。11勝した18年以降は伸び悩み、20年に左肘じん帯再建手術(通称トミー・ジョン手術)も受けた。21、22年は1勝ずつだったが、今季3勝目は完全復活を印象づけた。

 ヒーローインタビュー後、すぐ恩師からLINEが入った。「先生も付け加えてほしかった」。応援に来てくれた面々に紹介し忘れた四日市市立大池中2年時の担任・樋口和恵先生だ。「同級生とケンカして家庭訪問に2度来てくれたり、今も毎週LINEで励ましてくれる」。そんな恩師の声援に“アズマダックス”で応えた。

 チームは昨年8月の8連勝以来となる7連勝。4月終了時では球団最多タイとなる貯金9まで積み上がった。東の左腕が、首位独走にこれ以上ない勢いをつけた。(秋村 誠人)

 ▽マダックス 大リーグで100球未満での完封を意味する。86~08年にブレーブスなどで活躍したグレグ・マダックスは、通算35完封のうち13度を100球未満で達成。抜群の制球力は「精密機械」と呼ばれ、通算355勝、サイ・ヤング賞4度、最多勝利3度、最優秀防御率4度。14年殿堂入り。

 ≪左腕の100球未満完封は球団53年ぶり≫DeNAでマダックスと呼ばれる100球未満での完封勝利は、昨年4月16日ヤクルト戦で上茶谷が91球で記録して以来。左腕では70年9月30日阪神戦で鬼頭洋が98球でマークして以来53年ぶり。

 ≪4月終了時点の貯金9は球団最多タイ≫DeNAが7連勝、開幕から16勝7敗で4月を終えた。4月30日時点で16勝は、19勝した64年に次ぐ球団2番目の勝ち星。貯金9は64年(19勝10敗)、96年(15勝6敗)に並ぶ球団最多となった。また4月7度目の完封勝ちとなり、9度完封勝利した60年8月以来、63年ぶり2度目となった。

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