フィリーズ・マーシュが「OPS」出塁率+長打率1・065で堂々メジャー3位、一皮むけた3つの理由?

[ 2023年5月1日 11:57 ]

フィリーズのブランドン・マーシュ(AP)
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 フィリーズのブランドン・マーシュ(25)外野手が30日(日本時間1日)のアストロズ戦に「5番・中堅手」でスタメン出場。ヒットは出なかったが、6回には二死一塁で四球を選びチャンスを広げるなど、打席内容は悪くなかった。今季はここまで27試合に出て、打率・329、出塁率・418、長打率・647。二塁打7本、三塁打4本(リーグ最多)、本塁打4本、13四球、14打点とメジャーの複数の打撃ランキングで上位に顔を出している。OPS(出塁率+長打率)は1・065で全体3位だ。大リーグ公式サイトの取材に「すごいね。いい気分だよ。オフに頑張ったおかげだよ」と話している。

 それにしてもエンゼルス時代は打率・239、出塁率・299、長打率・354だった打者の好調の理由は何なのか?1つ目は打席でのアプローチで、「今はもっと打つべき球を選んでいる」と明かす。これまでは初球から振ることが多く、21年、22年は初球の29・4%に手を出したが、今季は13・5%だ(データは29日まで)。試合前の準備の仕方を変えた。「現在のルーティーンが気に入っている。打撃コーチとの話し合いとか、他のスタッフともうまくやれている。良い頭の状態で打席に入れている」と説明する。結果ボール球に手を出さず四球が増えた。空振りも、去年までの30・5%から、23・1%に減った。そしてストライクゾーンの甘い球をしっかり叩く。

 2つ目は打席での構え方を変えた。フィリーズのケビン・ロング打撃コーチはマーシュが直球に遅れていると感じた。実際エ軍では、対直球の打率は・233で、長打率も・372とリーグ平均を下回っていた。そこで突っ立った感じではなく、膝を曲げて腰を落とし、トータップもやめた。ロング打撃コーチはナショナルズ時代にフアン・ソトを指導したが、今ではソトのような構え方だ。今季は直球に対し打率・344、長打率・813と著しく数字が上がった。ロングコーチは「より余裕をもって投手の球を見ている。スイングはコンパクトだけどパワーも出せている」と話している。

 3つ目は左投手も打てるようになったこと。エ軍では対左投手の成績は打率・227で、打席の40%近くが三振だった。昨季フィリーズ移籍後も左投手が先発の時は控えに回ることが多かった。それが今季は左投手でもスタメン起用で打率・348、長打率・783と攻略。本塁打2本、二塁打2本が左投手からのものだ。「そこはオフに特に取り組んだ部分。シーズン120試合ではなく、162試合で頼られる選手になりたかった」と本人。まだシーズンは1カ月が終わっただけだが、25歳の若武者は見違えるような打者に進化している。

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2023年5月1日のニュース