阪神・岡田監督、前川にホレた「スイング力強い」 来春1軍キャンプ同行早くも決断 2年目へ外野奪う

[ 2022年11月4日 05:15 ]

走塁練習を行う前川(撮影・成瀬 徹)
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 阪神・岡田彰布新監督(64)が3日、入団1年目を終えた前川右京外野手(19)を来春の1軍キャンプに連れて行くことを早くも決めた。高知県安芸市での秋季キャンプ2日目にして即決。フリー打撃でバックスクリーンへの特大弾を放った打撃力を買い、佐藤輝、近本ら先輩左打者の技術を間近で体感させて育成する計画だ。

 前川の一撃に猛虎の明るい未来が見えた。午後から始まったフリー打撃。痛烈な打球が中堅118メートルのバックスクリーン中段へ突き刺さる。初日350人から1200人へ観衆が増えた祝日の球場から拍手とどよめきを誘い、ちょうどバックネット裏の球団ブースで昼食を取りながら見ていた岡田監督はキャンプ2日目にして来春の1軍キャンプ抜てきを決めた。

 「あのスイング、力強いよな。で、結構(打球が)飛ぶね。来年のキャンプ地も1、2軍振り分けても近くにおるから、1軍の左バッターというかな、そういうのと一回、一緒にやらしてみても面白いかもわかれへんな」

 智弁学園時代から評価が高く、安芸での“初対面”を心待ちしていた。パンチ力と広角に打ち分ける打撃力を目の当たり。ますますほれ込んだ。来春から2軍も沖縄県うるま市の具志川球場が拠点。距離が近くなっても、1軍本隊に置く意味は大きい。近本や佐藤輝ら先輩左打者の技術を間近で体感させ、育成する方針を固めた。

 まだ高卒1年目を終えたばかりの19歳。「バッティングだけなら…」と来季の1軍戦力になり得るという判断でもあった。編成上の偏りから就任以来、ことあるごとに右打者を待望していても、「打ったら左でもええよ。やっぱ打つ人優先やで。打てる人や、そら」と言い切った。

 当の本人もやる気満々だ。「振れるときがあったら振って、自分を追い込まないといけない」。フリー打撃も含めて1日1000スイング以上を消化。「常にしっかり練習でもやらないといけないのがプロの世界」と自覚し、ティー打撃では水口打撃コーチのマンツーマン指導に顔をゆがめながら、夕暮れまで自らを追い込んだ。「来季は(最初から)勝負していけるような体力、技術を(この期間で)レベルアップしていかないといけない」。両翼が空白の来季外野陣。割って入る挑戦権を早くもつかんだ。 (石崎 祥平)

《小学生時代の宝物は「どろだんご」》
☆生まれ&サイズ 2003年(平15)5月18日生まれ、三重県津市出身の19歳。1メートル76、88キロ。左投げ左打ち。50メートル走6秒3、遠投100メートル。ベンチプレス120キロ。
 ☆球歴 白塚小1年からソフトボールを始め、投手で6年時に全国大会出場。一身田中では津ボーイズに在籍し、投手と外野手で全国大会出場。智弁学園では1年春から主力。甲子園は2年夏の交流試合を含めて計4度の出場で、3年夏は準優勝。高校通算37本塁打。
 ☆名前 「右京」の由来は画数と響きの良さから。将来的に登録名を「右京」にするプランを持つ。
 ☆赤が好き 母校・智弁学園のチームカラー。プロでも打撃時に使用するエルボー&フットガードを「8割赤色」で発注するほど。
 ☆欲しいもの 香水。においフェチで柑橘系好き。
 ☆成績 上半身のコンディション不良もあってウエスタン・リーグは21試合、打率.250、3本塁打、7打点。「みやざきフェニックス・リーグ」は16試合、打率.295、2本塁打、11打点。
 ☆宝物 今年5月の「ゴールデンウィークこどもまつり」では小学校の時の宝物として「どろだんご」と珍回答。

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