落合博満氏 2009年の「17分抗議」の内容を明かす グラウンドを通っての退場の理由

[ 2022年11月4日 17:10 ]

落合博満氏
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 現役時代に3冠王を3度獲得し、監督としては中日を4度のリーグ優勝に導いた落合博満氏(68)が4日、自身のYouTube「落合博満のオレ流チャンネル」を更新。選手、監督時代を通じての退場について語った。

 20年の選手生活で2度、04年から11年の中日監督8年間で6度の退場処分を受け、計8回の退場は金田正一氏と並ぶ歴代3位となっている。中日監督時代の6度の退場のうち5度は「5分以上の抗議」による遅延行為だった。「遅延行為っていうのはね、これは致し方ないんだ。出ていった以上は絶対引き下がらないっていう。引き下がるんだったら出ていかないもん。審判は審判の立場があるさ。監督には監督の立場があるわけでね。だから抗議に行ってそのまま帰ってくるっていう監督の心理が分かんないんだ」と自論を語った。

 中でも有名なのは、2009年10月11日ヤクルト戦(神宮)の17分間の抗議だった。場面は中日が3―2で1点リードで迎えた7回1死一塁の守備の場面。ヤクルト・デントナの放った打球は左翼ポールを巻く逆転2ランとなった。フェアかファウルか微妙な打球で、審判団が集まっての協議。その行方を待っていた落合監督だったが、フェアの判定通りとなると、審判団に詰め寄り抗議した。

 「あれ、ビジョンで映すからいけないんだよ。(判定が)ひっくり返らないのは分かってるさ。でも、出ていった以上は引っ込まないってやつだよ。5分過ぎたら退場になるっていうのは分かってるからさ。別にそれに関しては退場されたからって、文句は言うつもりはないよ」と落合氏。この試合は順位に関係のない消化試合ではあったが、単独での最多勝がかかる吉見が勝利投手の権利を得て降板していただけに、落合監督もこだわった。

 抗議は実に17分に及んだ。「17分何やってたんだよ」と話した落合氏。その抗議の内容の一端を明かした。「いや、だってオレが引っ込まないっていうのは意思表示をしておかないと。だから“退場にするんだったら5分過ぎたら退場にしろ”って言って、その代わり“オレは球場のね、グラウンドから去っていくよ”って。裏からじゃなくてね。裏からは人がいるじゃん。一般のお客さんがいるね、通路を通っていかなきゃいけないから。それだったら危ないから、一番安全なルートはどこかって言えばグラウンド。だから“グラウンドから退場になるからそれでいいか?”と言ったら、“はい結構です”って言われたよ」と語った。

 神宮球場はビジターのチームは左翼ポール際に通路からクラブハウスに抜けるしかない。ベンチ裏に抜けた場合は、お客さんも通る一般の通路を通る必要がある。落合氏は「アハハハハ。普通ありえないことだもん。グラウンドを通って退場するっていうことは。“それでいいか?”って言ったら、“はい結構です”って」と懐かしそうに話していた。

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