ソフトBドラ1 イヒネ どれだけ叱られてもへこたれない鋼のメンタル 高校時代の恩師「性格はプロ向き」

[ 2022年10月24日 08:00 ]

誉のイヒネ・イツア
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 【連載 ソフトバンク・ドラ1・イヒネの逸話(下)】愛知・誉の矢幡真也監督は誰よりも厳しく、イヒネに接してきた。どれだけスーパープレーをしても、特大ホームランを打っても一度たりとも褒めたことがないという。

 「期待している選手にはどうしても厳しくなる」と心を鬼にしてきた3年間。イヒネは朝が弱く、午前6時半からの朝練習で動きが鈍かった。解決策は他の選手よりも30分前行動。「一番早くグラウンドに来て、一番遅く帰れ」と口酸っぱく言ってきた。

 2年生時のレベルでは育成としてプロに行けるかどうか。ただ、これだけの才能を並の選手で終わらせるわけにはいかない。「本人がプロに行きたいと言い続けたので、こっちも真剣に向き合った」。イヒネはどれだけ叱ってもへこたれない鋼のメンタルを持っていた。「テンションを下げてプレーをやらない、とかはない。見返してやろうというハングリー精神は誰よりも強い。切り替えが早い性格はプロ向きかな」と矢幡監督。何度倒れても立ち上がる才能が、この男を成長させた。

 打撃では高校通算18本塁打と目立った数字ではない。ただ、プロではさらなる量産を予感させる兆候はある。木製バットの対応力が群を抜いており、スイングスピードはプロレベルの150キロ。「特に逆方向の打球は木の方が伸びる。インサイドアウトのスイングもできるし、内角も腕を畳んで打てる。プロでも早く対応できるかもしれない」。練習は木製バットで打っているが、ミート力も高くバットを折ったことがないという。

 来年1月には入寮、新人合同自主トレを控える教え子に「年内まではいじめて送り出します」とにやり。愛のムチはまだ、終わらない。(特別取材班)=終わり=

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