オリ・山崎福 思い出の神宮で4回無失点&先制適時打の二刀流 起用した中嶋監督に「感謝しかない」

[ 2022年10月24日 05:00 ]

SMBC日本シリーズ2022第2戦   オリックス3-3ヤクルト ( 2022年10月23日    神宮 )

日本シリーズ<ヤ・オ>3回、山崎福は右前適時打を放つ(撮影・平嶋 理子)
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 オリックス・山崎福が持ち味を発揮した。被安打4、奪三振5で4回無失点。「要所をしっかりと抑えることができました」。初回2死一塁では村上へ初球の内角140キロでバットをへし折り二ゴロ。毎回走者を背負っても長打を1本も許さず粘った。

 「神宮球場の経験と打撃で、中嶋監督が自分を選んでくれたので感謝しかないです。打席が少し高く見えて、マウンドの方が少し低い感じです」

 初戦で山本が4回0/34失点で降板した神宮球場のマウンド。チームは19年交流戦以来3年ぶりで、宮城ら未経験の投手が多い中、山崎福はプロ8年間で3度登板。明大時代も4年間でリーグ戦61試合で経験した。レギュラーシーズンは9月20日のロッテ戦が最後。5勝(8敗)でCSも出番なく終えていた。11勝の宮城、9勝の田嶋を差し置いて任された大役で期待に応えた。

 評判の打力も披露した。3回1死三塁で先制の右前打。サイスニードの初球132キロの低めチェンジアップに食らいついた。「交流戦でも勝ちましたし打席があった方がリズムがいい気がします」。5月26日の東京ドームでの巨人戦に7回1失点で今季初勝利。1週間後の6月2日、横浜スタジアムでのDeNA戦でも7回1失点で2勝目を挙げている。

 中嶋監督は「最初から全開でよく投げました。打撃は打席に立ったこともない(投手陣の)メンバーの中では期待していますが、野手より期待しているわけではないですよ」と神宮に戻ってくる第6戦以降の登板に含みを持たせた。オリックス投手が日本シリーズで打点を挙げるのは、阪急時代の78年、ヤクルトとの第4戦で今井雄太郎が中前適時打して以来という快挙だった。

 ▽オリックス・山崎福の打撃成績 日大三では3年春の選抜でエース兼5番として準優勝し、1大会最多タイ記録の13安打。東京六大学の明大では一塁手で出場することもあり、通算125打数33安打、打率.264。打率3割超えのシーズンが2度あり(3年春=.346、4年春=.300)、4年春の東大戦では神宮球場で大学1号となる3ランを放った。プロ入り後は通算17打数4安打、打率.235。今年6月3日の広島戦では田嶋の代打として登場して二飛に倒れ、中嶋監督は「打つかと思ったけどな。使う気満々でした」と説明した。

 【データ】3回に投手の山崎福(オ)が適時打。シリーズでオリックスの投手による安打は、阪急時代の1984年広島第6戦の山沖之彦以来、打点は78年ヤクルト第4戦の今井雄太郎以来44年ぶり。パ・リーグでは75年からレギュラーシーズンでDH制が採用されていたが、日本シリーズでは84年まで全試合で使用していなかった。

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