阪神・岩崎の「宣言残留」ににじむもの…数年前に聞いた“移籍の理由”

[ 2022年10月24日 16:40 ]

阪神・岩崎優はFA宣言し阪神に残留が決まり会見(代表撮影)
Photo By 代表撮影

 まだFA権も取得していない数年前、雑談の延長で阪神の岩崎に聞いてみたことがあった。今後、その権利を手にしたとして…FA宣言して他球団へ移籍することはあるのか――。入団1年目から取材してきた左腕の性格やタイガースへの愛着は知っていたから、その可能性は「ゼロ」に近いと思っていた。

 だが、答えは少し違った。「例えばですけど、違うリーグにはまだ対戦していない素晴らしいバッターも多くいますよね。投げていて自分が楽しくなるような。プロである以上、そういうバッターと対戦して向上していきたいという思いは常にあるので。移籍するならそういう理由が1つになるでしょうね」。

 この日、正式に「宣言残留」を表明して来季からもタイガースでプレーすることが決まった。だからといってあの時に明かしていた「向上心」がしぼんだわけではないだろう。 一方、それを上回るように年々、口にするようになったのは「勝たないとおもしろくない」「優勝しないといけないでしょう」という強い言葉。進化や成長は違った環境に身を置くことでも促されるが、虎の背番号13は甲子園のマウンドを選んだ。勝利に執着し、まだ見ぬリーグ優勝という目標に“振り切っていく”キャリア後半。今季は湯浅、浜地など頼もしい後輩たちも台頭してきた。若手主体のチームをけん引する覚悟のにじむ「阪神残留」だった。 (遠藤 礼)

続きを表示

2022年10月24日のニュース