ヤクルト・高津監督 執念継投!12回、木沢暴投で走者生還もラッキー「テイクワンベース」

[ 2022年10月24日 05:30 ]

SMBC日本シリーズ2022第2戦   ヤクルト3―3オリックス ( 2022年10月23日    神宮 )

<ヤ・オ>延長12回、ピンチをしのいで吠える木沢(撮影・篠原岳夫)
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 3―3の延長12回2死二塁。ヤクルトの8番手・木沢が2ボール2ストライクから投じた5球目、145キロのカットボールが暴投となった。捕手・中村が「やばい!」とばかりにボールを追う背中を見た二塁走者の佐野晧が、三塁ベースも蹴って一気に生還。オリックスベンチは「勝ち越しだ!」と歓喜したが、高津監督は冷静だった。

 実はボールは一塁ベンチに転がり落ちていた。一塁側ベンチから球審に歩み寄った指揮官のアピールで、集まった審判団もルールを確認して、一つの進塁だけ認める「テイクワンベース」を宣告。佐野晧は三塁まで戻された。

 紅林には四球を与えたが、落ち着きを取り戻した木沢は2死一、三塁から伏見のバットを152キロの高めのシュートでへし折り、三直に仕留めた。今季最多タイの8人継投。両軍合わせて16投手の登板は日本シリーズ新となる熱戦で、延長12回を戦い負けなかった。ブルペンに残っていたのは4年目左腕の久保だけだった。

 高津監督は「先を見ないでと言ったら大げさだけど、目の前で何が一番いいのか常に考えて起用した」と精神的にも人数的にもギリギリの攻防を振り返った。先発サイスニードの4回降板から立て直して、延長12回をしのぎきった。指揮官は「自分の役割と相手打者の特徴を勉強してマウンドに上がっているのが見えた」と、日本シリーズの大舞台でブルペン陣の成長を確認。24日は敵地・大阪への移動日。2試合で13人が投げた投手陣にはつかの間の休養だ。(君島 圭介)

 ▽公認野球規則5・06b(4)の(H) 1個の塁が与えられる場合―打者に対する投手の投球、または投手板上からの走者をアウトにしようと試みた送球が、スタンドまたはベンチに入った場合、競技場のフェンスまたはバックストップを越えるか、抜けた場合。この際はボールデッドになる。

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2022年10月24日のニュース