阪神・岩崎 残留決断!生涯タテジマ濃厚!! 4年総額8億円「タイガースで優勝したい」が決め手

[ 2022年10月24日 03:00 ]

マウンドに向かう阪神・岩崎
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 今年4月に国内フリーエージェント(FA)権を初取得した阪神・岩崎優投手(31)が23日、残留を決断した。近日中に発表される。権利を行使しての「宣言残留」が決定的で、シーズン中から交渉を重ねてきた球団からは4年総額8億円程度の大型契約を提示され“生涯タテジマ”も濃厚。プロ9年間で果たせていないリーグ優勝への渇望が決め手になった。岡田彰布新監督(64)を迎えた新体制でも不可欠な存在で、覚悟を決めて頂点を見据えた。

 聖地のマウンドから見たい景色がある――。岩崎が求めたのは新天地での躍動や刺激ではなく“タテジマ”での歓喜だった。

 「入団して、まだ一度も優勝を経験していないのが(残留を決断した)一番の理由。タイガースで優勝したい思いが強くなってる」

 13年ドラフト6位で入団し、1年目から開幕ローテーション入り。4年目の17年から救援に転向して着実に結果を積み重ね、9年目の今年4月に初めて国内FA権を取得した。大切なものだからこそクライマックスシリーズ・ファイナルステージでの敗退が決まった14日のヤクルト戦後は「これからの野球人生のことなので、しっかり時間をかけて考えたい」と話すにとどめ、熟考に入った。

 球団は、来季も欠かせぬ戦力として強く慰留。シーズン中から複数回の交渉を重ね、4年総額8億円程度の大型契約を提示された。必要とされる思いや誠意が伝わる中、他球団のユニホームを着てプレーする自身を想像したことが皆無かと言えば、そうではない。

 ただ、何度思いを巡らせても“忘れもの”は消えなかった。年々、主力への階段を上っていくにつれて強くなってきた頂点への渇望。セットアッパーとしての地位を確立し、どれだけ出色の個人成績を残しても「チームが勝たないと意味がないので。優勝するために自分はやってる」と9年間、いまだ味わっていないリーグ優勝への思いが口をついて出る。

 昨季はヤクルトに最大7ゲーム差を逆転されて勝率5厘差の悔しい2位に終わり、今季も開幕9連敗が響いて3位。個人としては3度の配置転換を経験しながら57試合で防御率1・96、球団左腕では最多を更新する28セーブの奮闘でも満足はできない。この仲間、このチームで優勝の喜びを分かち合いたい。偽らざる思いが、決断の決め手になった。

 権利を行使しての宣言残留が決定的で再取得は最短でも4年後。“生涯虎宣言”とも見て取れる。「来年も任されたところでしっかり投げて、チームが勝てるように貢献したい」。どっしり腰を据え、まだ見ぬ“てっぺん”を目指す。

 ◇岩崎 優(いわざき・すぐる)1991年(平3)6月19日生まれ、静岡県出身の31歳。清水東3年夏の静岡大会は2回戦敗退。国士舘大を経て13年ドラフト6位で阪神入り。14年4月2日の中日戦に先発しプロ初登板勝利。17年から救援に転向し、6年連続で40試合以上に登板。21年は東京五輪日本代表として金メダル獲得に貢献。1メートル85、88キロ。左投げ左打ち。

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