番長DeNA 継投ハマった逆王手!快投の大貫代え伊勢回またぎ ハマスタ史上最多観衆に1―0勝利届けた

[ 2022年10月10日 05:30 ]

セCSファーストステージ第2戦   DeNA1―0阪神 ( 2022年10月9日    横浜 )

<D・神>勝利し山崎(右)とグータッチする三浦監督(撮影・島崎忠彦)
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 セ・リーグのCSファーストステージは、レギュラーシーズン2位のDeNAが3位の阪神に1―0で勝ち、対戦成績を1勝1敗として「逆王手」をかけた。三浦大輔監督(48)は、7回途中まで2安打無失点と好投していた先発・大貫晋一投手(28)から伊勢大夢投手(24)に迷わずスイッチした采配がはまった。就任2年目の三浦監督はCS初勝利。10日、ファイナルステージ進出を懸けた第3戦に臨む。

 完封リレーをやられたら、やり返す。大一番で、「CS仕様」の継投策を繰り出した。三浦監督に迷いはなかった。

 「シーズンなら大貫はもう1イニングいったかもしれない。もしかしたら(7回の)頭から代えたかもしれない。でも、あそこは伊勢しかないと思った」

 負けたらシーズンが終わる一戦。流れを読み、快投が続いていた大貫をスパッと代えた。1―0の7回1死三塁。3番・近本を迎えた場面で、伊勢の名前を告げた。横浜スタジアム史上最多を更新する3万3037人の観衆に後押しされ、霧雨舞う悪条件下で「大明神」が期待に応えた。

 近本を初球の150キロの直球で三邪飛、続く大山を2球目の149キロ直球で中飛。わずか3球。オール直球で最大のピンチを切り抜けると、ベンチでナインにねぎらわれた。

 レギュラーシーズンでは12球団最多の71試合に登板。10月3日のヤクルト最終戦で2/3回を投げた後、8日のCSファーストS初戦まで4日空いた。それでも、蓄積された疲労は回復しない。8日も登板して1回を無失点に抑えており「朝起きたら、めちゃくちゃきつい」と本音も漏れた。

 それでも、明大4年時に出場し、38年ぶりに優勝した19年の大学選手権を思い起こして奮い立った。「CS前に“一番きつかったのはいつだろう”と考えた。大学選手権。きつさは同じ。短期決戦はアマチュアで経験している」。初経験のCSで、冷静さを保つ努力を続けた。

 三浦監督は伊勢を8回も登板させた。回またぎは今季、7月9日巨人戦の一度だけ。それでも「球数が少なかった」と信頼を寄せた。右腕は応えて原口、佐藤輝、代打のロハスと3者連続三振。指揮官は「疲れって4日で抜けるもんじゃない」と気遣いつつ、ここぞの「番長スペシャル」を成功させてCS初勝利をつかんだ。

 5年ぶりのファイナルS進出へあと1勝。その先に、2年連続で目の前で胴上げを見せられたヤクルトへのリベンジがある。昨季最下位、今季2位からの下克上へ。「スイッチはずっと入っている。明日も全員で戦う。スタンドと一緒に戦う」。脳裏には、伊勢の3連投も視野に、第3戦の構想が描かれている。(大木 穂高)

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