阪神・矢野監督 19年の再現誓う!ベイに惜敗も「イズム」発揮「俺たちの野球」まだ終わらせない

[ 2022年10月10日 05:15 ]

セCSファーストステージ第2戦   阪神0―1DeNA ( 2022年10月9日    横浜 )

セCS1<D・神>9回、代打・島田を告げる矢野監督(撮影・島崎忠彦)
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 セ・リーグのクライマックスシリーズ(CS)ファーストステージ(S)は9日の第2戦でレギュラーシーズン3位の阪神が2位のDeNAに敗れ、ファイナルS進出の行方は、10日の第3戦にもつれ込んだ。わずか2安打の零敗ながら、7回に盗塁を絡めて同点機をつくるなど持ち味を発揮。今季限りで退任する矢野燿大監督(53)は改めて集大成の戦いに死力を尽くすことを誓った。

 後がなくなっても、矢野監督はぶれない。「俺たちの野球」を貫く姿勢は不変だった。1勝1敗で迎える第3戦は引き分けでも敗退が決まる。春季キャンプイン前日の退任表明で始まった“最後の1年”は続くのか、終わるのか。勝つしかない大一番を前に改めて覚悟を言葉にした。

 「俺は退任するって発表してから、毎日毎日“今日は返ってこないから”と思ってやっている。明日(ファイナルSに)つなげられるのか、つなげられないのかはあるけど、別にそれは変わらない。明日も全員の野球をするだけ」

 結果的には2安打零敗で大貫らDeNA投手陣に完敗した。ただ、2本の安打を放った場面では、就任4年間で植え付けてきた「矢野イズム」がしっかりと表れた。初回2死から近本が中前打すると、桑原が打球の処理にもたつく間に二塁へ疾走。間一髪のタイミングで憤死でも超積極的姿勢でプレッシャーをかけた。

 0―1の7回は先頭の中野が遊撃内野安打で出塁。2~6回まで完全に抑えられていた中で生まれた待望の走者でも大胆に動かした。それも初球に――。

 中野が思い切ってスタートを切り、糸原がバントの構えからバットを引いた。投球は外角高め。警戒して外されても捕手・伊藤が慌てて握り損なって投げられないほどの二盗成功だった。糸原の犠打で1死三塁。近本、大山が倒れて無得点には終わったが、形はしっかりとつくった。

 「向こうも勝負にいって、こっちも勝負にいっている。打てることもあれば、今日みたいに打てないこともあるので、その分、明日打ってくれると思う」

 CSファーストSで初戦を勝利し、第2戦に敗れるのは、同じ横浜でDeNAと対戦した就任1年目の19年と同じ。あの年は3戦目を2―1で競り勝ち、突破した。過去のCSファーストS、パ・リーグプレーオフで○●の形で五分になった場合、先勝チームが13勝5敗、勝率72・2%という心強いデータもある。19年の再現から、日本一へ――。「俺たちの野球」はまだ終わらない。終わらせない。(山添 晴治)

 ○…第1戦勝利の阪神が敗れて1勝1敗。3試合制のプレーオフ、CSで1勝1敗は19度目。過去18度のうち先勝チームの第3戦勝利は13度で突破率72.2%とデータ上の優位を保っている。阪神は先勝から第2戦敗戦を過去2度経験しており、相手はどちらも今回と同じDeNA。シーズン2位でCS進出の17年は第3戦●で敗退。3位で進出の19年は第3戦○で突破だった。 

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2022年10月10日のニュース