ソフトバンク・柳田「帰ってケーキでも食べたいな」満弾で34歳誕生日飾った ファイナルS進出 

[ 2022年10月10日 05:00 ]

パCSファーストステージ第2戦   ソフトバンク8―2西武 ( 2022年10月9日    ペイペイD )

パCS1<ソ・西>3回2死満塁、右越え満塁打を放ち、デスパイネとタッチをし喜ぶ柳田(右)(撮影・中村 達也)
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 プロ野球クライマックスシリーズ(CS)のファーストステージ(3試合制)の第2戦が9日、行われた。パ・リーグはレギュラーシーズン2位のソフトバンクが同3位・西武に2連勝。オリックスの待つ12日からのファイナルS(京セラドーム)進出を決めた。柳田悠岐外野手(34)の自身初のバースデーアーチとなる満塁弾が、決勝点。チームはプロ野球記録を更新するポストシーズン18連勝とした。

 自作自演のサプライズプレゼントだ。0―0の3回2死満塁。この日、34歳になった柳田の2打席目だった。今井の初球スライダーを引っ張って大ファウル。場内がため息に包まれた直後、2球目も同じ球種が来た。低めをすくうとライナーで右翼テラス席に届いた。

 「まあ、まぐれです、はい。まあ、奇跡です。厳しいかと思ったんでダメで元々と。それがいい結果となりました」とにやけた。

 極限の集中と、究極の開き直りでの一発。自身の記憶で野球人生初という、バースデー弾がグランドスラムだ。観戦に訪れた家族の前で大黒柱は威厳と風格を示し「思い出に残る誕生日になった。帰ってケーキでも食べたいな」。不意にわんぱくな一面も見せた。

 レギュラーシーズンも含めて10月は4試合4連弾。ポストシーズン(PS)では18年の西武とのファイナルステージ第4、5戦以来の2試合連発となった。PS通算11発目で本塁打が出ればチームは全勝。プロ野球記録のPS連勝も18に伸ばし、最高の形でファイナルS進出を決めた。

 主将に就任した今年、特に欲しがったのが好調月だった。「1カ月の絶好調が欲しいです。いいシーズンというのは1カ月ぐらい好調がある。どっかで波が来る。そこがあれば、もっと打てると思います」。その波が一番、欲しい時に来た。藤本監督も、主砲の一撃を「柳田が、よう打ったですね。誕生日に自分で自分をお祝いしましたね」と称える。

 西武を倒し、12日からは敵地で1勝のアドバンテージを持つオリックスとのファイナルS(6試合制)に臨む。柳田は5月3日の対戦で、第1戦に先発する可能性の高い山本から満塁弾を放った。24本塁打のうち、球団別ではオリックス戦の6発が最多だ。今季、京セラドームでの同カードは3勝10敗だが、神無月に入り“神がかった”この男ならばデータさえも、無効にする。

 「いいメンタルで、野球ができている気がします」。2試合を残し、優勝マジック1としながらひっくり返された。仲間が流した悔し涙は歓喜に変わる。柳田は雪辱の舞台となる大阪へと乗り込む。(井上 満夫)

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2022年10月10日のニュース