阪神・佐藤輝、人生初の二塁! 矢野監督のノック指令は遊びじゃなかった「本当にセカンドでビックリ」

[ 2022年3月13日 05:30 ]

オープン戦   阪神3ー0中日 ( 2022年3月12日    甲子園 )

<神・中>4回1死一塁、ビシエドの三併殺打で二塁のカバーに入る佐藤輝(右)(撮影・平嶋 理子) 
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 阪神の佐藤輝明内野手(22)が12日の中日戦で人生初めて「4番・二塁」で出場。22年型の強力打線構想をテスト。注目の守備では3本のゴロをさばき、三ゴロ併殺も完成させ、ノーミスだ。矢野燿大監督(53)は起用オプションの一つとしたものの、大型セカンドが実現すれば、さまざまなバリエーションの“夢打線”が組める。チームは5投手の継投で1安打零封。引き分けを挟んで4連勝とした。

 スタメンのアナウンスを聞いた虎党は、耳を疑ったことだろう。二塁手に佐藤輝の名前が告げられた。本人も驚いていた。前日11日。翌日のオーダーが書かれたクラブハウス内のホワイトボードを見て、目を丸くした。

 「監督は、遊びで“セカンドにノック行けよ”って言っていると思ったら、本当にセカンドだったのでビックリしたんですけど」

 少年野球でも守ったことがない位置を、オープン戦とはいえプロで初体験した。初回と2回に緩めのゴロを難なくさばいた。4回は5―4―3の併殺で、一塁転送もそつなくクリア。9回は正面の強い当たりを、ゆとりを持って捕球し、試合を締めくくった。左右の打球や中継プレーはなかったものの、身長1メートル87センチ、体重94キロの巨体でそつのない動きを披露した。

 「いろいろ経験できることがすごくいいこと。いい機会でした」
 二塁を初めて練習したのは、2日前の10日のシートノックだった。その時点では、矢野監督は「ないことはない。ちょっと遊びでやったら、と」と本気度を図りかねる発言をしていたが、テストを終え、起用の意図を改めて説明した。

 「1年間は長い。コロナもある。想像したくないけどケガもある。いろんなオプションというのをやっておく必要があるのかなと」

 昨季チーム最多の24本塁打を放った大砲を二塁に置くことで、少なくとも3パターンの打線が組めると考えられる。1つ目は、右翼にロハス・ジュニア、左翼に糸井を使う「超重量打線型」。2つ目は、右翼の1番に島田を起き、2番中野、3番近本と快足を並べる「超機動力型」。最後はDH制がある「交流戦型」で、糸井もロハスも島田も起用できる、いいとこ取りだ。球団では91年の岡田以来31年ぶりとなる「4番・二塁」が実現すれば、攻撃のバリエーションは格段に広がる。

 7試合連続で4番に座った打撃では、5回に先発左腕の岡田から右前打を放ち、1イニング3得点に絡んだ。とはいえ、この日の注目は守り。「年間で二塁を守るとなればすごく難しいと思う。ポジショニングや連係を、二塁から見て分かることもちょっとあったので、いい機会になった」。外野、三塁に加えて二塁までこなす三刀流。きょう13日には23歳の誕生日を迎える。2年目の今季は、また新たな姿が見られるはずだ。(倉世古 洋平)

 《実現すれば91年の岡田彰布以来31年ぶり》佐藤輝(神)がプロ初の二塁守備。先発で「4番・二塁」は昨季の他チームでは牧(D)、浅村(楽)、呉念庭、外崎(ともに西)、渡辺(日)の起用があるが、阪神で今季実現すれば91年の岡田彰布以来31年ぶり。2リーグ制以降では藤村富美男(52年)、三宅秀史(57年)、岡田(86、88、90、91年)の3人が起用されている。

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