MLB球宴に仰天プラン“延長戦やらずにHR競争で決着” ア・リーグの命運、大谷に託される?

[ 2022年3月13日 02:30 ]

21年のホームランダービーに出場した大谷(AP)
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 労使交渉が決着した大リーグに、仰天のオールスター決着プランが浮上した。複数の米メディアが11日(日本時間12日)、7月19日(同20日)に行われるオールスター戦(ドジャースタジアム)が9回同点の場合、本塁打競争で勝敗を決める可能性があると報じた。昨年のホームランダービーにはエンゼルス・大谷翔平投手(27)が、日本選手として初出場。ア・リーグの命運が大谷に託されるかもしれない。

 スター選手による夏の祭典の決着が、まさに一発勝負となる可能性が出てきた。オールスター戦が9回同点の場合、ホームランダービーで勝敗を決めるという驚きの決着方法。報道では、10日に大リーグ機構(MLB)と選手会が電撃合意した新協定に暫定合意として含まれ、詳細を今後、協議するという。

 昨季、MLBは提携する独立リーグのフロンティアリーグとパイオニアリーグの公式戦で、延長戦の決着をつける際に同ルールを適用した。実際に27試合が対象となり、ファンは大喜びでホームランダービーの行方を見守ったという。公式戦での実施に、フロンティアリーグ・オッターズのアンディー・マコーリー監督は「試合がバッティング練習の打撃投手の技量で決まる」と不満を漏らしたが、お祭りともいえるオールスター戦なら話は別。16年までは勝利リーグの球団が、ワールドシリーズ本拠地開幕権を得るアドバンテージがあったが、それも廃止されている。延長戦での投手の負担軽減にもなり、導入への障害は少ない。

 期待がかかるのは、勝敗決着ダービーへの、エンゼルス・大谷の出場だ。昨年、コロラドで行われたオールスター戦前日のホームランダービーに初出場。試合では先発投手兼「1番・DH」の特別ルールで、MLB史上初の「オールスター戦リアル二刀流」を実現した。今季、仰天プランが実現すればホームランダービー、球宴投打二刀流、勝敗決定の2度目のダービーと、「大谷のための大谷の祭典」とも呼ばれた昨年を上回る“大谷祭り”の可能性もある。

 初出場した昨年の夏の祭典を「初めての経験なのでまた来られるように。そう思わせてくれるような素晴らしい経験でした。凄くいい雰囲気だった」と振り返っていた大谷。順調に公式戦を戦えば、2年連続2度目の選出は確実となっている。

 ≪日本選手で初出場、打球速度トップタイ≫▽大谷の21年ホームランダービー オールスター戦前日の7月12日のクアーズ・フィールド。日本選手として初出場だった大谷は、1回戦でソト(ナショナルズ)と対戦し、2度の延長戦を繰り広げた末、28―31で競り負けた。500フィート(約152.4メートル)超えの本塁打は、1回戦でトップの6本。打球速度117マイル(約188キロ)は出場選手トップタイだった。オールスター戦では史上初めて投打同時出場し、勝利投手となった。

 ≪延長戦突入は過去15試合≫1933年に始まったオールスター戦。1948年までは「ア・リーグ対ナ・リーグ」以外に「East対West」での開催、1962年までは1年に2試合開催の年もあり、昨年まで112試合が行われた。うち延長戦に突入したのは15試合。最長は延長15回で、1967年と2008年の2度。最近では2017年、翌18年の2年連続でともに延長10回の試合となった。また、大リーグではオールスター戦でも決着がつくまで行うが、2002年は7―7の延長11回で投手が足りずコミッショナー裁定で、1961年の第2戦は1―1の9回に降雨のため打ち切りとなり、引き分けが2度ある。

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2022年3月13日のニュース