阪神・佐藤輝 ビッグボスの目の前でビッグアーチ架ける!日本ハム戦に4番で先発決定「ど派手に打てたら」

[ 2022年2月8日 05:30 ]

1時間にも及ぶロングティーを終えた佐藤輝は会心の表情でガッツポーズ(撮影・平嶋 理子)
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 阪神は8日にキャンプ地の沖縄・宜野座で日本ハムを迎えた今春最初の対外試合を予定し、佐藤輝明内野手(22)は4番(右翼)での出陣が決まった。矢野燿大監督(53)が7日に明言した。敵将の「ビッグボス」こと新庄剛志監督(50)の初陣として注目される一戦。主役は譲る気はなく1時間の入念な打ち込みで備えた。

 敵将に話題を独占させるわけにはいかない。8日の日本ハムとの練習試合。今春最初の対外試合で猛虎4番には佐藤輝が座ることが決まった。

 あの手この手で盛り上げる新庄監督率いる日本ハムとの対戦を「まあ、楽しみですね」とリップサービス気味に返答。CS放送だけでなく、関西と北海道では地上波で生中継される注目の一戦へ「ど派手にっていうか、まあ普通に打てたらいいな、と…」と結果へのこだわりを言葉にした。

 4番そのものは珍しくない。チーム最多24本塁打の昨季も新人ながら11試合で任された。42打数12安打(打率・286)。2本塁打を放ったこともあって、今回も「変に考えることなく自分のスイングを心がけたい」と自然体だ。

 ところが、全ての試合である条件が付く。大山が欠場していたのだ。今回は2人が同時出場予定。初めて大山を押しのけた形だ。

 もっとも、打順を決めた矢野監督の意図は別のところにあった。「そっち(マスコミ)が好きやから4番にしただけ。気をつかってるんやから、こっちも」。真意は話題づくり。裏返せば、一挙手一投足がネタになるビッグボスへの対抗策ということ。主役を奪われるな…というメッセージにも取れる。

 今春は一発にこだわらない姿勢が目立つ。4番出陣を翌日に控えたフリー打撃でも99スイングで柵越え3本。個別練習では屋外ロングティーで約1時間にわたって振り込んだ。昨季よりもミートポイントを捕手寄りにし、「そうですね。自分のポイントで打っています」と逆方向への打球が多い。

 新しい取り組みは5日の紅白戦で成果として表れた。昨季苦手とした外角高めを捉え、藤浪から本塁打。「いい感じなんで、それをどんどん続けていけば」。プロ野球ワースト6位の173三振を喫した1年目からの変化を実感した。昨春の対外試合初戦も日本ハムが相手。本塁打を含む3安打で衝撃のデビューを飾った。2度目の春。ビッグボス登場をしのぐビッグアーチは生まれるか。(倉世古 洋平)

 《昨季先発4番11試合》昨季の阪神で先発4番を務めた選手は大山(93試合)、マルテ(32試合)、佐藤輝(11試合)、サンズ(7試合)の4人。佐藤輝が初めて4番に座った5月2日広島戦で大山は疲労を考慮されて欠場。以降に佐藤輝が4番で出場した10試合は大山が登録外で「4番・佐藤輝」と大山の同日出場はなかった。

 ▽佐藤輝の昨春最初の対外試合 2月9日の日本ハム戦に「2番・左翼」で先発。初回に右安打を放つと、5回無死一塁では右翼ポール際へ一時逆転の2ラン。同点の7回1死二塁では右翼線へ決勝二塁打を放って勝負強さを見せ5打数3安打3打点の好発進だった。

 ▼阪神・井上ヘッドコーチ(佐藤輝の4番起用に)輝明を4番に据えたことによって、悠輔(大山)に競争意識を持たせる意味もないということもない。(4番に)名前を置くことで、どういう効果があるのか見ながら、相乗効果を期待しての並びだから。

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