大谷翔平とゲーム “よしやるぞ”ではない意味とは

[ 2022年2月8日 16:00 ]

ニューヨークのタイムズスクエアで「MLB The Show 22」のカバーアスリートにエンゼルス・大谷が決まったことが発表された(撮影・杉浦 大介通信員)
Photo By スポニチ

 久々に聞いたエンゼルスの大谷翔平投手(27)の“生声”は明るかった。米国の人気野球ゲーム「MLB The Show 22」のカバーアスリート(表紙)決定に関するオンライン会見。「これを機会に(ゲームを)やってみようかなと思ってくれればすごくうれしい。いろいろな選手の名前やプレーを覚えることで、実際に見た時により楽しめるのかなと思う。そういう風にみんなが楽しんでくれればうれしい」と言葉に力を込めた。

 少し意外だったが、野球に全てを注ぐ大谷にとって、ゲームは決して不要な存在ではないという。その意義について尋ねると「よしやるぞ、みたいな感じではない。うまくやろうかな、みたいな。そういう意味合いの方が自分には強い。リラックスしたりとか、そういう時間にやることが多いかなと思う」と丁寧に説明してくれた。

 練習だけでも多忙を極める投打二刀流。しっかりと休養を取ることも大事な練習の一つだ。大谷はかねて睡眠や食事管理の大切さを語ってきたが、ゲームは心のリフレッシュにはちょうどいいツールなのだろう。日本ハム時代からスマートフォンの対戦型カードゲーム「クラッシュ・ロワイヤル」にハマり、エンゼルス移籍後もチームメートとクラブハウスで盛り上がる姿を何度も見かけた。いつも見てるこちらが笑顔になるほど、心の底から楽しんでいるようだった。

 ただ当然、最優先は野球。そして、リラックスすることが目的であるため、ゲームに執着することはないようだ。このオフの過ごし方を尋ねると「オフはそんなに(ゲームは)やっていないですね。日本にいる時はせっかく日本にいるので、日本の番組を見たりとかしていました」とあっけらかんと話していた。

 一方、ゲームの世界についての質問には「ゲームはゲームで難しさがある」と話すなど、ある種の尊敬の念を抱いているような印象も受けた。「The Show(シリーズ)をいつもやっている人たちの中に僕自身を知らない人もたくさんいると思う。まずそういう人に知ってもらえるのが光栄なこと。多くの人により知ってもらえるように、まずは結果を残すことが一番だと思う。そうなるように頑張りたいなと思います」。MLBの顔となっても、おごりや慢心などは一切ない。

 労使交渉が長引き、ロイター通信のインタビューでは、16日(日本時間17日)開始のキャンプの遅れが懸念されていることに「肉体的には大丈夫。問題が生じるとしたらメンタル面かもしれない」と不安を口にしていた。大谷にとって日米合わせてプロ10年目のシーズン。メジャーリーグは不透明な情勢が続くが、ゲームが少しでも息抜きになることを願う。(記者コラム・柳原 直之)

続きを表示

2022年2月8日のニュース