広島・中村奨成 猛アピール!今春初のシート打撃で3安打「たくさん試合に出たい」左翼守備にも就いた

[ 2022年2月8日 05:30 ]

シート打撃で3本目となる安打を放つ中村奨 (撮影・奥 調)
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 広島・中村奨成捕手(22)が7日、宮崎・日南キャンプで今春初めて実施されたシート打撃で3打数3安打を放って輝いた。若手選手のアピール合戦となる初の実戦形式。三塁打、二塁打、単打を重ね、猛アピールした。17年ドラフト1位で入団して5年目。出場の可能性を広げるために今春から外野手に軸足を置き、左翼にも就いた。

 二塁手の頭上を襲った中村奨のライナーは右中間へ。左腕・高橋昂に2ストライクと追い込まれた3球目真っすぐを三塁打だ。同じ左腕・玉村との対戦では初球の内寄り直球をフェンス直撃の中越え二塁打にした。

 「真っすぐが来るのは分かっていたので振り遅れないように意識した。2打席目は詰まったのですが、思ったより飛んでくれたので取り組んでいることができたのかなと思う」

 遠回りするスイングの軌道、投手寄りのミートポイントを修正して打球に最大限に強い力を加えることが課題だった。答え合わせの結果が正解だったことがうれしい。

 1死三塁の設定だった3打席目は元守護神・中崎の2ボールからの真っすぐを中前適時打。バットを折られ、前進守備の遊撃頭上を越えた一打は幸運に見える。迎打撃コーチはこの3本目にこそ成長を確信したという。

 「変化球、特にスライダーを打ちにいった中でストレート系を捉えた。これまでは狙いと違った球は振れなかったけど、対応力が上がっている」

 広陵3年夏の甲子園では大会新記録の6本塁打を放って準優勝。地元の広島からドラフト1位で指名された。過去4年間で通算57打数15安打(・263)、2本塁打。捕手出場は4度で、外野の9度よりも少ない。代打出場が主だった。

 甲子園のスターも5年目を迎え、危機感が募る。捕手陣は会沢や坂倉ら先輩の壁が高く、出場機会を求めて今春から外野守備に比重を移した。米球界入りを目指す鈴木の抜けた穴は個人的にはおいしい。松山や西川、野間ら外野陣には左打者が多く、右打者が貴重なのも狙い目だ。

 シート打撃では左翼を守り、林の左翼線の飛球に飛び込んで届かなかった。羽月の飛球では遊撃・韮沢、中堅・大盛とお見合いして二塁打。「守備はまだまだ全然ダメです。捕手にこだわりはありますが、今年はたくさん試合に出たいので両方練習します」。目指してきた“強打の捕手”から少し成長曲線の向きは変わっても、22年がプロ野球人生で大きな一年となるのは間違いない。(畑野 理之)

 【中村奨の過去4年間の歩み】

 ☆1年目(18年) 17年夏の甲子園大会で1大会最多の6本塁打を放ち、ドラフト1位で入団。2軍で231打席に立って経験を積み、打率.201、4本塁打。

 ☆2年目(19年) 2月に肋骨を疲労骨折し、実戦復帰した6月の2軍戦では頭部死球。2軍39試合で打率.279、2本塁打。

 ☆3年目(20年) 春季キャンプ初の1軍スタートでアピールできず2月中旬に2軍合流。1軍初出場の7月26日DeNA戦から4度の代打起用も初安打は出ず。

 ☆4年目(21年) 出場機会を得るため3月から外野に挑戦。4月16日に1軍昇格し、同日の中日戦に「2番・左翼」でプロ初先発。第3打席で左翼線二塁打を放ちプロ初安打。6月19日DeNA戦ではプロ初本塁打。1軍39試合で打率.283、2本塁打。

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2022年2月8日のニュース