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中畑清氏 水島さんが描きたくなるような選手出てこい!

[ 2022年1月25日 05:30 ]

中畑清氏
Photo By スポニチ

 【キヨシスタイル】漫画家の水島新司先生が10日、亡くなられた。巨人時代、チームメートの江川卓に紹介してもらってね。初めてお会いしたときに「君は岩鬼に似ているね」と言われた。うれしかったな。

 「ドカベン」に登場する悪球打ちの右打者。同じ三塁手、角張った顔もイメージがかぶったのかな。駒大時代にも一時期「岩鬼」と呼ばれてたことがあるんだ。さすがにハッパはくわえてなかったけどね。

 先生が試合を見に来てくれると、いつも絶好調でね。ある日、便箋にこんな言葉を書いてくれた。

 「君はもはや長嶋二世に非(あら)ず 中畑一世だ」

 ミスターに憧れ続けてきた私にとっては「長嶋二世」で十分うれしかったけど、「中畑一世」に勇気をもらったね。

 岩鬼だけじゃなく、山田太郎に里中、殿馬、微笑三太郎…。数々の個性豊かなキャラクターを生んできた先生に認められたってことでさ。この言葉のおかげで今がある。ずっと野球人でいられたと思っている。

 プロ野球選手は目立ってなんぼ。今は日本ハムの新庄監督に注目が集まってるけど、ビッグボスが選手の個性をいかに引き出すか。選手からすると、どうやってアピールするかだ。

 1976年、巨人に入団して初めてのキャンプを思い出す。2軍スタート。2月中旬だった。V9監督の川上哲治さんが練習を見に来てくれた。

 ちょうどノックの時間だった。張り切ったよ。わざとらしく大声を出してさ。下手なのにオーバーアクション。とにかく派手に動いた。

 すると翌日の新聞に川上さんの「2軍に元気なのがいるじゃないか」というコメントが載ったんだ。作戦成功。すぐ1軍に呼ばれた。オープン戦終盤にトンネルを連発して開幕1軍はならなかったけど、長嶋監督に存在を覚えてもらうことはできたと思う。

 あと1週間でキャンプイン。宮崎も沖縄もまん延防止等重点措置が適用されているけど、グラウンドでの動きに制約はないはずだ。どんどんアピールしてほしい。水島先生が描きたくなるようなキャラの立った選手、出てこいや!(スポニチ本紙評論家・中畑 清)

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