落合博満氏「あそこまでボール球振ったらいかんね」 オリ・杉本に愛の4番論、打撃向上のヒントも

[ 2021年12月29日 20:11 ]

落合博満氏
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 現役時代に三冠王を3度獲得し、監督としては中日を4度のリーグ優勝に導いた落合博満氏(68)が、29日に放送されたMBSラジオの「JA淡路日の出スポーツスペシャル ~MBSベースボールパーク番外編~ 落合博満×掛布雅之 THE・野球談議」に出演。現役時代は阪神の4番に座り、阪神2軍監督なども務めた掛布雅之氏(66)との対談で、激闘となった日本シリーズを振り返った。

 強打者同士の2人だけに、話題は自然とヤクルト、オリックスの4番に向けた“ハッパ”に変わっていった。同じ左打者のヤクルト・村上に対して、掛布氏は「すごいホームランだったけど、相手チームからするとダメージがそうなかったかもしれない。4番が打って負けるというのはいいことじゃない」と愛の苦言。村上が本塁打した第1戦と第5戦はともにヤクルトが敗れており、落合氏も「(4番が打って負けるというのは)いいことじゃない」と同調した。

 さらに落合氏は、今年ブレークしたオリックスの杉本に対して苦言を一つ。シーズンでは本塁打王を獲得するなど力を認めてはいたが、日本シリーズでは第6戦で3三振するなどして若干苦しんだ感もあり、「あそこまでボール球振ったらいかんね。それもインサイド来るの分かっていてのインサイドでしょ。外のスライダー、ボールからボールになる球。本人の中で、ある種(ブレークして)1年目と考えればいいけど、無我夢中だった感じかな」と経験不足を指摘した。

 内角球の見極めができないと、外角も同様に見極められないとの持論で「どっちも打ちにいっちゃっていた」と話すと、掛布氏は「今の話は(阪神の4番候補の)大山や佐藤輝にも聞かせたい」と納得。その上で落合氏は「自分の好きなところと、ウイークポイントは紙一重。そこで待てるか、振っちゃうかで確率が変わってくる。満塁でフルカウントになると米国の投手は真っすぐ。日本人は基本、変化球。だからシーズン中に(日本に来た)外国人選手に“お前にあの場面で真っすぐは来ないよ。見逃したら四球で押し出しだよ”と言うんだけど、振っちゃうんだよな」と、飛躍のヒントを付け加えていた。

 さらに番組内で落合氏は、若い選手全般に言えることとして「何考えて振っているか、分からない。全てのボールに対応しようとしている。初球からフォークのワンバン振ってみたり。この打席で何を待っているのか、意図が見えない。割り切りがあってもいいんだけど、何でもかんでも来たら振る。それでいて、最後はど真ん中を見逃したりね」と、ヒントになりそうな話を何度も語っていた。

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2021年12月29日のニュース