広島・桑原 野球愛を次世代へ 来年から球団職員として小中学生指導「技術よりも楽しさを教えていきたい」

[ 2021年12月29日 05:30 ]

惜別球人2021~セ・リーグ編

17年、野球教室で指導をする広島・桑原

 広島・桑原の心は高校球児のころから変わっていない。「一日中野球ができて、野球のことしか考えなくていい。楽しい時間でした」。プロ7年間で出場3試合無安打。2軍暮らしが長く続いても野球への愛情は消えなかった。

 何よりも高校野球が好きだった。特に中学生の頃は、テレビにかじりついて甲子園に熱中。14年ドラフト5位で広島に入団すると憧れの選手がそろっていた。「堂林さん、庄司さんと一緒に練習してるよ!とか思っていましたね」。甲子園を騒がせた選手は次第に後輩にも増え始める。4学年下の小園、林には度肝を抜かれた。「すげーな…と思った。僕より絶対にうまいし、これからも勝てないと感じた」。甲子園で活躍した後輩が自らの現役引退を決断させた。

 来年からは球団職員として広島に残ることが決まった。主に球団主催の野球教室を指導し、スコアラー業務も手伝う。「凄くありがたい仕事をいただいた。野球が好きなので、野球に携わる仕事に就きたいと思っていました。うまくなるためには野球を好きになることが大切。技術うんぬんよりも、まずは野球の楽しさを教えていきたいです」。主な指導対象は小中学生。高校野球に熱中していた当時の熱量のまま、野球愛を伝えていく。(河合 洋介)

 ◇桑原 樹(くわはら・たつき)1996年(平8)7月4日生まれ、静岡県出身の25歳。中学時代は小笠浜岡シニアで遊撃手。常葉学園菊川では2年の春夏連続で甲子園に出場し、ともに初戦で1発を放ち3回戦に進出した。14年ドラフト5位で広島入り。昨年プロ初めて1軍昇格を果たした。1メートル80、85キロ。右投げ左打ち。

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