ヤクルト・歳内 苦難続いたプロ生活で培った「考える力」が財産

[ 2021年12月29日 05:30 ]

惜別球人2021~セ・リーグ編

ヤクルト時代の歳内
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 ヤクルトが日本一に上り詰めた日本シリーズ。テレビ越しに見ていた歳内の胸にこみ上げたのは「野球ってやっぱりいいな」の思いだった。真剣に向き合った10年間のプロ人生。「もっとああすればよかったという思いもあるし、限界までできたかなという思いもある」と振り返った。

 聖光学院で甲子園に出場し、スプリットを武器に活躍した。11年ドラフト2位で阪神に入団したが、右肩痛に悩まされ19年オフに戦力外。独立リーグを経て20年9月にヤクルト入り、同10月1日のDeNA戦で挙げた1829日ぶりの白星が移籍後唯一の勝利だった。腰も足も悲鳴をあげていた。今オフに2度目の戦力外通告。引退を決めた。苦難の方が多かったプロ生活で培ったのは考える力。「ひとつのことしかやってこなかったですけれど、どうすればよくなるか、必死にやってきたことは今後に生きるかな」と懸命に自分と闘った経験が財産だ。

 来年1月からは古巣・阪神のアカデミーコーチを務める。地元・兵庫県の尼崎校を担当予定。「小学生を相手にしていく難しさもある。こちらも勉強させてもらいながら、しっかりやっていきたい。新しい発見があると思う」。野球の楽しさ、難しさを伝えるのが、次の仕事だ。(青森 正宣)

 ◇歳内 宏明(さいうち・ひろあき)1993年(平5)7月19日生まれ、兵庫県出身の28歳。聖光学院2、3年夏に甲子園出場、2年夏は8強。11年ドラフト2位で阪神入り。19年限りで戦力外に。独立リーグの香川を経て20年9月にヤクルト入団。NPB通算64試合で3勝6敗、防御率4・18。1メートル84、90キロ。右投げ右打ち。

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2021年12月29日のニュース