ソフトB 藤本新監督とファーム時代ともに汗 大舞台で光を浴びる“若鷹”の躍動が楽しみ

[ 2021年10月29日 08:00 ]

ソフトバンク・藤本博史2軍監督
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 8年ぶりのBクラスに終わったソフトバンクが世代交代の過渡期に向かう。

 7年間の工藤政権が終わったチームは再建を目指すが、鷹ひと筋15年の長谷川が引退し、1軍打撃コーチになる見通し。39歳の高谷、38歳の川島、10年目の釜元らは戦力外通告を受けた。若返りを図るチームは11年間に渡って1~3軍で指導経験を積んできた藤本博史2軍監督が次期監督に昇格する方針だ。

 新監督は19、20年に3軍監督、今季は2軍監督として若手育成に注力してきた。11年にソフトバンク2軍打撃コーチに就任し、ルーキーだった柳田を徹底指導。球界を代表するスターに育て上げた手腕に定評がある。今季、ブレークしたリチャード、三森も精力的に指導した。

 世代交代の中心として最も期待がかかるのは上林だろう。18年に143試合に出場し、打率・270、22本塁打。実力は誰もが認める。最近3年間はケガの影響もあって不本意な成績だが、復活を期待せずにはいられない。23日のフェニックスリーグ・西武戦では決勝3ランを含む2安打4打点。藤本2軍監督は「力は持っている。ただ力を発揮できてないだけ。表に出さないだけでむちゃくちゃ悔しいと思いますよ。十分、力があるからチャンスはある」と力説した。

 将来を見据え、若手のチャンスは自然と増える。好不調の波が続いた38歳の松田の出場機会は減少。柳田、中村晃のレギュラー陣は30代中盤に差し掛かっていく。終盤戦から1軍で経験を積んでいる柳町は8月に打率・396をマークし、ファーム月間MVPを受賞。今季最終戦となった25日ロッテ戦ではプロ初本塁打、初猛打賞も記録。巧みなバットコントロールはお墨付きだ。

 三森がリードオフマンを確立し、リチャードは「鷹のロマン砲」として期待されている。今季、全試合に出場した栗原はまだ25歳だが、今季21本塁打、77打点はともにキャリアハイ。来季は主軸として磨きがかかってくる。そこに経験のある上林、成長著しい柳町が加わるビジョンが描ける。

 藤本新監督とファーム時代、ともに汗を流したナインは恩返しに燃えるだろう。大舞台で光を浴びる若鷹の躍動が楽しみだ。(記者コラム・福井 亮太)

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2021年10月29日のニュース