阪神・西勇 CSへ復活アピール 15日ぶりの実戦で貫禄2回零封 全球種「思い通りに」

[ 2021年10月29日 05:30 ]

フェニックス・リーグ   阪神9-1西武 ( 2021年10月28日    南郷スタジアム )

<フェニックスL 西・神>初回終了後、長坂(手前)とグラブでタッチをかわす西勇(撮影・坂田 高浩)
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 右肘の違和感でファーム調整中の阪神・西勇輝投手(30)が28日、宮崎県内で開催中の教育リーグ「みやざきフェニックス・リーグ」の西武戦(南郷)に先発し、2回無失点だった。15日ぶりの実戦マウンドで感覚を養い、全球種もチェック。11月6日から始まるクライマックスシリーズ(CS)へ、復活をアピールした。

 予定の2イニングを西勇が気持ちよく投げ終えた。2回2死からのジョセフにはスライダー、カーブで追い込み、真っすぐで見逃し三振。すべて外角ぎりぎりに投げ込んだ。貫禄、格の違い…。最後の1球に込めた風格が“もう大丈夫”というメッセージと言えた。

 「久しぶりで感覚だったり雰囲気だったり確認することはあったけど、無難にやることはできたかな。球種も全部投げて比較的に思い通りの感じですね」

 初回、2安打で1死一、三塁とされた。たとえ失点しても、結果より腕をしっかりと振ることがテーマだったが、マウンドに立てば投手の本能がムキ出しになる。山村を捕邪飛、仲三河を中飛で無失点。調整登板とはいえ、少し本気になれた。2回は3者凡退。カーブもスライダーもシンカーもフォークもすべて試した31球だった。

 「1イニング目は、自分の投げたい球で久しぶりという感じを埋められた。2イニング目は打者の反応を読み取ることができた」

 今季は6勝9敗に終わった。13日巨人戦では右肘違和感で2回途中に降板。翌14日に出場選手登録を抹消された。この日が15日ぶりの実戦マウンド。11月6日から巨人と戦うCSファーストSを目指す。「自分の立場はアレですけど、そこに向けてやっていくしかない」。今はもうエース格ではなく、先発3、4、5番手として、31歳の誕生日10日から始まるヤクルトとのファイナルSが出番になるかもしれない。そして、その先には…。

 「25年ぶり、すごいなと思います。心から応援していました。(山本)由伸もハーパー(吉田正)も若い頃から知っているし、平野さんも先陣切ってやっているし…」

 古巣オリックスと対戦の可能性もある日本シリーズ。29日に帰阪予定で、2イニングを投げるためだけに宮崎・南郷に足を運んだ目的はただ一つ。苦しい1年だったが、高ぶらせてくれるモチベーションが、今はある。

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2021年10月29日のニュース