DeNA・宮国 移籍初登板初先発で古巣巨人斬り!1518日ぶりの1勝

[ 2021年9月8日 05:30 ]

セ・リーグ   DeNA8―2巨人 ( 2021年9月7日    横浜 )

<D・巨>移籍後初勝利を三浦監督(左)から祝福される宮国(撮影・島崎忠彦)
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 古巣への最高の恩返しだ。DeNA・宮国はウイニングボールを捕手・山本から受け取ると声を弾ませた。

 「巨人に勝てたのはうれしいですが、チームの勝利が一番。失点しても慌てなかった。ズルズルいったら成長していない、と自分に言い聞かせた」

 5回7安打2失点。初回に2失点も、その後は粘り、最速147キロの直球で内角を攻め、変化球を織り交ぜ巨人打線をリズムに乗せない。1―2の5回、味方打線が一挙7得点の逆転劇で、白星が舞い込んだ。

 昨オフ、巨人から戦力外通告。右肩痛を抱えていたが「現役は続けられる」とトライアウトを受けた。声は掛からない。それでも巨人時代の先輩の西武・内海が思いをサポートしてくれた。「続けると言うなら一緒にやろう」。1月、奄美大島で合同自主トレ。2月のキャンプイン後は、内海の元個人トレーナーの保田貴史氏が都内で練習場所の確保に奔走し、パートナーも務めてくれた。あてのない苦しい日々。だが、宮国には忘れられない言葉があった。巨人時代の17年2月1日に急逝した父・透さん。「投げられるのであれば、一年でも長く野球を続けなさい」。諦めない気持ちと周囲の支えで3月15日、DeNAと育成契約を結んだ。

 3回、先頭で打者・菅野を迎えた。巨人時代に自主トレに同行した先輩に、マウンドから軽く会釈した。カーブを中前打されたが、投げ合いには勝った。

 17年7月12日のヤクルト戦以来1518日ぶり、プロ通算22勝目のウイニングボール。「どうしようか考えていなかった。親父に見せようかな」。はい上がってつかんだ白星は、格別だった。(大木 穂高)

▼DeNA・三浦監督(移籍後初登板勝利の宮国に)育成で入ってきてからも黙々と練習してチャンスをつかんだ。一発回答じゃないけど、勝ちがついたのは良かった。

 ≪村田以来4年ぶり古巣巨人斬り≫昨年巨人を自由契約になった宮国(D)が移籍初登板初勝利。巨人から他球団に移籍し、古巣との初対戦で白星は、17年6月11日の村田(日)以来だが、同投手は米移籍を挟んでおり退団から7年後のこと。前年まで在籍した投手では、79年に阪神へトレードされ同年4月10日巨人戦で移籍初登板初勝利を飾った小林繁以来42年ぶりだ。

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2021年9月8日のニュース