元ニッポン放送アナウンサーの深沢弘さん死去 85歳 長嶋茂雄氏が追悼「取材者と選手を超えた親友」

[ 2021年9月8日 18:16 ]

<2015年NPB新人研修会>「話し方、インタビューへの対応」の講義する元ニッポン放送アナウンサー・深沢弘さん
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 元ニッポン放送アナウンサーで、「ニッポン放送ショーアップナイター」の実況で活躍した、深沢弘(ふかさわ・ひろし)さんが8日、死去した。85歳。川崎市出身。同日放送された「ショウアップナイター・プレーボール」の番組内で発表された。

 深澤さんは同学年の巨人・長嶋茂雄終身名誉監督(85)とは現役時代から親交を深め、74年10月の引退試合の実況を務めるなど、数々の名場面を実況した。

 番組では、その中から「ショウアップナイター」で深澤さんが実況した1988年6月15日のヤクルト―巨人戦で解説者に長嶋茂雄氏を迎え、長嶋一茂が打席に入ったシーンでの実況を放送した。

 長嶋茂雄氏は番組に「私の現役時代から近くで見守ってくれ、公私ともに支えてくれた取材者と選手を超えた親友でした。本当にショックです。ご冥福をお祈りいたします」とコメントを寄せた。

 また、野球評論家の江本孟紀氏(74)と電話が繋がっており「ここしばらくは体の調子も良くなかったので、3週間前くらい電話いただきましたけど、あの人は自分が悪いのに人の心配ばかりしてて。それで電話をいただきましたが、それが最後になりました。僕は今年で解説40年ですけど、突然深澤さんに電話をもらって『ニッポン放送で解説しないか』と声を掛けられて、40年間の人生のほとんどを深澤さんで支えられた。色んな思い出もありますけど、一口では喋れない。今の僕があるのは深澤さんのおかげ」と涙を流して振り返った。

 1936年(昭和11年)生まれ。早大卒業後、58年に東北放送に入社。64年の東京五輪の際、スポーツアナウンサーを探していたニッポン放送に誘われ移籍。以後、74年10月の巨人・長嶋茂雄の引退試合をはじめ70年代から90年代を中心に「ショウアップナイター」で実況アナとして活躍。担当した試合は1600試合以上で、解説の関根潤三さんとともに、ナイター中継の「レジェンド」と呼ばれた。野球だけでなく、ボクシングや中央競馬の実況も担当した。

 アナウンサー引退後は新潟県民エフエム放送の東京支社長などを務めた。

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