阪神・マルテ 起死回生の同点打でチームに活力 2戦連続マルチ安打にも「もっと、もっとできる」

[ 2021年9月2日 05:30 ]

セ・リーグ   阪神2ー1中日 ( 2021年9月1日    甲子園 )

<神・中(16)> 6回、大山の右前打で勝ち越しのホームを踏んだマルテは飛び跳ねながらナインとタッチ(撮影・大森 寛明)
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 頼もしい快音が、聖地の沈滞ムードを切り裂いた。1点劣勢の6回、阪神・マルテが起死回生の同点打。満を持して昇格してきた助っ人がためこんだ力を大事な局面で解き放った。

 「近本が塁に出てくれたし、初回は同じような場面で凡退してしまったから絶対に打ちたいと思っていた。同点になって良かった」

 意地を見せたのは1死二塁で迎えた第3打席だった。1ストライクから2球目の140キロ直球を振り抜いた打球は、勢いよく中前で弾む適時打。初回は1死二塁と同じ局面で空振り三振するなど、序盤から苦戦していた左腕・松葉をようやく捉えた。その後、三塁走者として大山の適時打で生還を果たすと、ベンチ前で仲間と跳びはねながら喜びを分かち合い、チームに再び勢いをもたらした。

 東京五輪の中断期間で一時帰国した影響もあって、後半戦スタートには間に合わなかった。前半戦、軸として打線をけん引した男は2軍で実戦を踏み、ようやく前日8月31日に48日ぶりの1軍復帰。5回に満塁で走者一掃二塁打を放つなど2安打3打点といきなり躍動したが、チームの勝利には結びつかなかった。だからこそ、この1本は心から喜べた。

 「自分のできることはしっかり準備して力を出し切ることだと思ってる。もっと、もっとできると思うので、もっと貢献していきたい」。キャリアハイの50打点に到達し、2試合連続マルチ安打と、もう止められない。アーチでなくとも、気持ちはみんな“ラパンパラ”な夜だった。(遠藤 礼)

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