新田 夏初出場初勝利 母校率いる岡田監督 「感無量。チーム全員で勝ち取った勝利」

[ 2021年8月10日 16:02 ]

第103回全国高校野球選手権大会 1回戦   新田4-2静岡 ( 2021年8月10日    甲子園 )

<静岡・新田> 8回終了時、静岡打線をここまで2失点に抑えている向井(右)を迎える新田・岡田監督(左から2人目) (撮影・後藤 大輝)
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 2年ぶりの開催となった第103回全国高校野球選手権大会の第1日は10日、甲子園球場で1回戦が行われた。第2試合は夏初出場の新田(愛媛)が静岡(静岡)を4-2で下した。

 90年センバツでの快進撃が「ミラクル新田」と称された新田が夏初出場で初白星をつかんだ。

 試合後、同校OBで2011年夏から母校を率いてきた岡田茂雄監督は「地区予選では歴史を変えるという流れで頑張ってきた。甲子園では新たな歴史を作るという強い気持ちで臨めた。(勝利の校歌は)感無量です!」と声を弾ませた。

 投げては今大会からエースナンバーを背負った1メートル67の2年生右腕・向井が8安打2失点完投と力投。ピンチでも強気に内角を攻める度胸の良さに、指揮官は「(捕手の)古和田中心に配球組み立てていた。バッテリーには逃げずに強気で攻めろと」と振り返り、期待通りの組み立てを見せた。

 守備陣は好プレーで盛り立てた。特に7回、同点に追いつかれ、なおも1死一塁の守備ではスーパープレーが飛び出した。

 静岡の9番・山岸が放った大飛球を、中堅の長谷川が背走しながらダイビングキャッチ。すぐさま起き上がり、飛び出していた一塁走者を8-6-3と中継して併殺に仕留め、逆転を許さなかった。「3年生がしっかり守ってやると。チーム全員で勝ち取った勝利だと思います。粘り強く野球するのが信条。それを甲子園で発揮できてよかった」と目を細めた。

 打線は鋭いスイングが目立った。打線は今夏静岡大会で防御率0・00、1メートル92の長身右腕・高須に対し、コンパクトに振った。2回に8番・向井の右前適時打で先制すると、6回にも9番・山内が左前適時打で2点目を加点。高須をマウンドから引きずり下ろした。同点に追いつかれた直後の8回の攻撃では2番・入山が決勝の右翼線2点適時二塁打を放った。

 結果的に計9四死球をもぎとり「高須君を早く攻略したかった。粘り強く打席を迎えられたと思います。冬場から全国屈指の投手を打つために練習してきた。コンディションを整えてやってきたことを出すという気持ちで臨めた。特に2点目が大きかった。地方大会でまったく当たってなかった9番・山内のヒットが勢いを与えた。(決勝点は)打線としてつなぐ気持ちが入山のタイムリーにつながった」と喜んだ。

 「攻撃は、常に攻めるという姿勢でやっている。常にスコアリングポジションで相手にプレッシャーをかけようと。初出場なので向かっていくだけ。次も攻めの野球を全力で出していきたい」と指揮官。次戦へ勢いづく初戦突破となった。
 
 ▼向井(背番号1の2年生右腕、2失点完投) 開会式で甲子園球場に入った時、愛媛とは違う球場でプレッシャーがかかっていました。硬めのマウンドで投げやすかった。先輩たちが立てなかった甲子園で投げられてすごく嬉しかった。(静岡打線は)動画で研究して、甘く入ると打たれると思った。うまく緩急をつけられてよかった。(2回に先制適時打)夏の愛媛大会で全然打ててなかったので、あそこで打てて本当によかったです。

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