五輪決勝で好救援の阪神・岩崎、緊急守護神に 矢野監督「一番すっきり」 一時帰国スアレス隔離の影響

[ 2021年8月10日 05:30 ]

決勝の米国戦で登板した岩崎。後半戦は一時的に虎の守護神に
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 阪神・矢野燿大監督(52)が9日、後半戦開幕から一時的に岩崎優投手(30)を守護神として起用する方針を明かした。前半戦25セーブのロベルト・スアレス投手(30)がリフレッシュを目的に一時帰国した影響で、リーグ戦が再開する13日広島戦から数試合の不在が濃厚。東京五輪で侍ジャパンの金メダル獲得に貢献した左腕に重責を託し、16年ぶりリーグ優勝への再発進を期した。

 2位・巨人と2ゲーム差で始まる勝負の後半戦。矢野監督は岩崎を一時的に抑えに据える意向を示した。「それが一番、すっきりするのかなと思っている」。前半戦は34試合で1勝3敗22ホールド。従来のセットアッパー役にとどまらない重責を託すことを決めた。

 再びスタートダッシュを狙うための最善策だ。前半戦はスアレスが不動の守護神としてフル回転。36試合で防御率1・53の安定感を誇り、リーグトップ独走の25セーブを挙げた。五輪中断期間にリフレッシュのため一時帰国。再入国は7月25日だった。隔離期間を経て、9日に本格的に再始動したばかり。万全の状態を整えるには一定時間が必要で、無理に後半戦開幕に合わせるリスクを避けた。

 すべてを背負って最終回のマウンドに上がる抑え役。一時的とはいえ、誰でも務まるポジションではない。今の虎投では岩崎しかいない。

 日本野球界の悲願をかなえた東京五輪では、侍ジャパン初選出ながら堂々の勇姿。米国との決勝では1点差の8回を守るなど、3試合で計2回を1安打に抑えて零封した。大舞台を経験し、成長して戻って来る。指揮官の期待は揺るぎない。

 「その前(7~8回の継投)も固まっているわけじゃないから。そのままそうとは限らないけど、優が一番後ろで投げるのが一番スムーズかなと思ってる」

 岩崎が9回へ回る分、空いた7~8回は流動的。スアレスが復帰するまでは“岩崎につなげ”が投手陣の合言葉になる。歓喜に沸いた五輪の余韻が残る中、16年ぶりリーグ優勝への戦いが始まる。金メダルの次は、ペナント奪回。侍左腕を切り札とし、猛虎は残り59試合に挑む。(山本 浩之)

 【岩崎の東京五輪登板】
 決勝トーナメントで3試合に救援登板。2回を1安打3三振、無失点の防御率0.00。勝敗なし。

 ★8月2日準々決勝・米国戦 田中将(楽)が逆転を許して2―3の4回2死二、三塁。ウエストブルックを遊ゴロ。

 ★4日準決勝・韓国戦 1点リードの6回1死一、三塁、山本(オ)をリリーフ。金賢洙(キムヒョンス)に同点打を許すも、続く2人から奪三振。

 ★7日決勝・米国戦 1点リードの8回無死一塁、伊藤(日)をリリーフ。3番カサスからのクリーンアップを三振、遊飛、三ゴロで火消し。
 

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2021年8月10日のニュース