日本ハム・栗山監督が3年目未勝利右腕に愛の“説教” 生田目に「自分を信じろ」 9日阪神戦登板

[ 2021年2月9日 05:30 ]

ブルペンで投げ込む生田目(撮影・高橋 茂夫)
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 日本ハム・生田目翼投手(25)が名護キャンプ第2クール3日目の8日、栗山英樹監督(59)から叱咤(しった)激励を受けた。投球練習を終えた直後のブルペン内で、愛のこもった5分間の「説教」。入団から2年未勝利の右腕は9日、今春初の対外試合となる阪神との練習試合(宜野座)に登板し、脱皮への第一歩をしるす。

 練習を終えて引き揚げる時、生田目は「気に掛けてもらって、申し訳ないです」と何度も何度も言った。18年ドラフト3位で日本通運から入団した際の、即戦力の評価に応えられていない自分。なのに、変わらない期待を感じることができた栗山監督の言葉――。今年の初登板を前に、エネルギーをもらった。

 中継ぎで2イニング程度を投げる阪神戦に向けて調整しようと、自らブルペンへ。20~30球で終える予定が61球も投げた。自分の投球に不満、不安が募る。その様子を見ていた栗山監督に呼び止められた。

 「いいボールを投げているから、自信を持って投げろ」

 「俺はおまえを、おまえより信じている。自分を信じないで誰が信じるんだ」

 約5分間、心に刺さる言葉を次々聞いた。「投球練習で納得いかずに悔しいところを優しくしてもらって、泣きそうになった」と生田目。過去2年で1軍登板7試合、0勝2敗で防御率7・71に終わっている。「大学時代のおまえは全然違ったぞ」と栗山監督に言われた。指揮官は、3年春の全日本大学選手権で準優勝した流通経大時代の記憶が鮮明だ。「確かに、僕は大学の時は怖い物がなかった。監督は“自己チュー”で投げている感じを受け取ってくれていた」。再生へのヒントをもらった思いがした。

 キャンプ宿舎でポジティブ思考の杉谷にも「何でそんなにメンタルが強いんですか」と聞いた。「自分は自分、他人は他人だから」と答えが返ってきた。人と比べ、結果を求めて焦っていた過去とは決別する。先発で勝負する3年目。この世界で生き残るため「自分」を出し切る。(和田 裕司)

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2021年2月9日のニュース