森繁和氏 「田中将教室」に見た“もう一つ”の効果「楽天の若手投手は本当に恵まれている」

[ 2021年2月9日 06:00 ]

楽天・沖縄キャンプ

ブルペンを見守る森氏(撮影・白鳥 佳樹)     
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 マー君が動けば、報道陣も動く。楽天・田中将は十分に分かった上でやっているな、と思った。ブルペンでの熱心な指導。質問に丁寧に答える姿からは「チームのために」との思いが伝わってきた。そんな「田中将教室」。実はもう一つ効果がある。

 私を含め、ブルペン脇には報道陣がズラリ。投球中の投手にしてみれば田中将だけでなく記者、カメラマンの視線も同時に受ける形だ。注目されることで緊張感も増し、「いいところを見せよう」と気持ちも入る。今キャンプは無観客。ファンの視線がない中、田中将が引き連れてきた報道陣の存在によってピンと張り詰めた空気が生まれていた。その効果を分かった上で足を運んでいるのだろう。

 私が西武に入団した当時、先輩投手に何か聞くことなどとてもできなかった。楽天の若手投手は本当に恵まれている。あれだけの経験と実績の持ち主が、自分の時間を割いて助言をくれる。仮に私が監督でも「ドンドン言ってやってくれ」とお願いしていたと思う。

 短い時間だったが、石井監督とも話をする機会があった。注目の開幕投手について直撃すると「まだ決めていないですが、(田中将、則本昂、岸、涌井の)誰がいってもいけると思う」。田中将の加入で選択肢が増え、ドラフト1位・早川ら若手の負担も減る。練習で、試合で。一人の存在がチームに与える好影響は絶大だ。(本紙評論家)

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2021年2月9日のニュース