クロマティ 強烈右ストレート!熊本で巨人史上最強助っ人、死球に怒る!

[ 2020年4月24日 08:45 ]

中日・宮下昌己(左)の死球に怒り、襲いかかる巨人・ウォーレン・クロマティ(1987年6月11日撮影)
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 【Lega-scene あの名場面が、よみがえる。~乱闘編~】昭和、平成の名場面を本紙所蔵の秘蔵写真からお届けする「Lega―scene(レガシーン)」。プロ野球乱闘編の第4回は1987年6月11日に熊本・藤崎台球場で行われた巨人―中日戦。死球に激高した巨人のウォーレン・クロマティ(当時33)が中日・宮下昌己(当時22)の顔面に右ストレートをクリーンヒットさせた一枚です。

クロマティは人気者だった。
明るく、親しみやすい性格。
巨人史上最強助っ人
とも言われ
「万歳パフォーマンス」
などでファンから愛された。

そんな男が
強烈な右ストレートを
繰り出した。
87年6月11日
熊本の夜。
右肩付近に死球を受けた。
「帽子を取って謝れ!」。
マウンドへ歩み寄り
英語で言った。
しかし
マウンドの宮下には
通じない。
次の瞬間
右拳が宮下の顎に
ヒットした。

両軍ベンチから
ナインが飛び出す。
巨人・王監督に
中日・星野監督が
鬼の形相で詰め寄る。
その間も
もみ合いは続き
同僚の桑田が
クロマティを抱えるように
押さえ込む。
スタンドから
観客がなだれ込み
警官が制止に走る。
陽気な助っ人が見せた
もう一つの
姿だった。

在籍7年で
779試合に出場し
打率・321
171本塁打を記録した。
あの乱闘から
二十数年後
テレビ番組を通じて
クロマティは
宮下と和解する。
「トモダチでしょ!」。
年を重ねても
人懐っこい笑顔は
健在だった。(敬称略)

 《田淵氏「理解に苦しむ」》ボクシングの写真かと思うほど、ど迫力の写真。東京最終版1面は「大乱闘」の見出しで大きく展開し、スポニチ本紙評論家の田淵幸一氏も「クロウが何であんなに怒ったのか、まして殴るなどの暴力を振るったのか理解に苦しむ」と断罪している。下段では左顎打撲で全治10日となった宮下の「口の中が切れ、頭がフラフラする」という生々しい言葉や「謝らなかったのは、単に胸元を突こうと思った球だし、謝るほどの球ではない」というコメントも掲載されている。

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