【20年ドラフト候補】苫小牧駒大・伊藤大海 成長の糧は“ツイー投”

[ 2020年1月10日 08:05 ]

20年ドラフト候補

決意の言葉を手にラストシーズンに挑む
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 20年ドラフトは大学生候補が大豊作だ。特に苫小牧駒大の154キロ右腕・伊藤大海(ひろみ)投手(3年)は1位候補の呼び声が高い。18、19年と大学代表入りした実力派で昨秋からツイッター上で質問を受け付け、時には自身の練習動画も公開。「伝える」ことを成長の糧にしながら、集大成の一年に挑む。

 ドラフトイヤーを迎えても、心に揺らぎはない。常に向上心を持ち続けてきた自負があるからだ。伊藤は「2020年もやることは変わらない。むしろ、これまで以上のものを“追い求める”一年でもある」と表情を引き締めた。

 18、19年と2年連続侍ジャパン大学代表。最速154キロの直球を主体に、昨年は守護神を務めたドラフト上位候補は、昨秋から自身のツイッターで質問を受け付けている。回答は言葉だけでなく、股関節ドリルなど自身のトレーニング動画もアップしている。これまで中・高校生を中心に1000件以上に回答。一方的な発信でなく“コミュニケーション”を通じ、忘れていたことを振り返ることもあるという。

 半面、培ってきた一端を明かす懸念もある。「小さい男じゃないので」と笑う伊藤は、続ける。「自分が時間をかけて気づいたことを伝えることで、その選手が次に進めたらいいなと思う」。伊藤自身は、駒大進学も1年秋に退学。翌春に、苫小牧駒大で再スタートした。連盟規定で公式戦に出場できなかった1年間を“強化期間”と位置づけ、肉体改造とフォーム修正で飛躍の下地をつくった。人にない経験もしてきたからこそ伝えられることがあり、今後にも生きると信じている。

 自分の中で描いてきた最終学年のイメージは「無双状態」。このオフは体についての知識を深め、自分の体をより使いこなすことを追求している。「パワーアップ、レベルアップは当然。プレーで示していける選手でありたい」。道産子右腕は進化を続け“秋”を待つ。(竹内 敦子)

 《五輪影響で2週間遅れ ドラフトは11月5日》東京五輪開催に伴うペナントレース中断により、今年のドラフトは例年よりも約2週間遅い11月5日に開催される。スカウトは物理的に大学の秋季リーグ戦最終節まで視察可能となる見通しなだけに、大学生候補にはやや追い風か。社会人野球は五輪の影響で全国大会の日程が変更された。日本選手権(京セラドームなど)が7月2日開幕、都市対抗(東京ドーム)が11月22日開幕となる。前例のない変則日程の中でどう本領を発揮するか選手やチームの対応力も試されそうだ。

 《伊藤大海プロフィル》
 ☆生まれとサイズ 1997年(平9)8月31日生まれ、北海道鹿部町出身の22歳。1メートル76、82キロ。右投げ左打ち。
 ☆球歴 鹿部小2年時に「鹿部クラップーズ」で始める。駒大苫小牧では1年秋に初ベンチ入りし14年センバツ1回戦(対創成館)で3安打完封勝利。駒大進学も1年秋に退学し、17年春に苫小牧駒大入学。2年春に公式戦デビューし、無傷の6勝でリーグ優勝し全日本大学選手権出場。2、3年時に侍ジャパン大学代表。
 ☆好きな選手 ダルビッシュ有(カブス)。「タイプは全然違うが、考え方とか、今までにないものをつくり上げようとしている方で尊敬」
 ☆特技 釣り。今年の元日には地元鹿部町で48センチのアイナメを釣り上げた。過去には63センチのヒラメも。
 ☆家族 両親と姉、弟。

 《伊藤のほかにも…注目大学生、本格派ズラリ》伊藤のほかにも大学生は本格派がズラリとそろった。早大の150キロ左腕・早川と東海大の153キロ右腕・山崎は各球団のスカウトが「上位候補の筆頭」と口をそろえる。日体大の155キロ右腕・森、抜群の潜在能力を誇る慶大の151キロ左腕・佐藤はともに今春リーグ戦の結果が大きく鍵を握る。智弁学園では3年センバツで優勝投手となり、東洋大でも大黒柱に成長した右腕・村上が加わる。
 野手では昨年大学代表の4番を務めた中大・牧、「糸井2世」こと近大・佐藤。1位候補との声も上がる。スピードでは中大・五十幡。中学時代に陸上の全国大会でサニブラウンに勝った50メートル5秒6と驚異的な俊足を生かし、積極的な走塁と広い守備範囲で上位指名は間違いなさそうだ。

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