阪神・球児7年ぶり球宴!日本復帰後初 広島・緒方監督の指名に「光栄」

[ 2019年7月2日 05:47 ]

06年の球宴では全球ストレート宣言で沸かせた藤川
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 「マイナビオールスターゲーム2019」の監督推薦選手が1日に発表され、ファン投票と選手間投票で出場が決まっていた29選手に加え、阪神・藤川球児投手(38)、青柳晃洋投手(25)ら27選手が選出された。藤川は7年ぶり9度目で日本球界復帰後は初めての球宴出場だ。今季28試合で4勝無敗、16ホールド、防御率1・26。復活した火の玉が夏の祭典に帰ってくる。

 実に7年ぶりの夢舞台は、監督推薦によって道が開けた。リーグ3連覇の広島・緒方監督からの指名に藤川は野球人としての喜びと感謝の思いを込めた。

 「一番のライバル球団である広島カープの監督から認められたのは光栄に感じなきゃいけないのかなと」

 4月7日に登録を外れて再調整。同月27日の中日戦から復帰し、18試合連続無失点の快投を演じた。6月11日のソフトバンク戦では球団史上初の日本通算150ホールドを達成。圧倒的な戦績でブルペンを支えてきた。

 13、14年のカブス、15年のレンジャーズを経て15年6月には独立リーグの高知でもプレー。紆余(うよ)曲折の野球人生を支えてくれたのは、他でもない家族だ。「息子からは“もう無理なんじゃないの?”と冗談ぽく言われていたんですけど、そういう中でも応援してくれていたんで。でも、言葉でいくら言ってもね、言葉を体現して結果で示していかないといけない」。今回の選出で、父親の威厳を再び示した形だ。

 球宴と言えば、06年のカブレラとの直球勝負が有名だろう。藤川とともに監督推薦で選出された青柳も子供の頃にテレビで観戦し、心が震えたという。新たに生まれるかもしれない名場面へイメージを膨らませた。

 「あの時はあの時で、オールスターへ向けた自分の気持ちも強くあった。向かっていく側だったけど、今回、自分が対戦したいというよりは、もしかしたら僕から打ちたいという選手がいるかもしれない。それを肌で感じた時、どういうふうなピッチングをしようと感じるか」

 特に今年は第2戦の舞台が本拠地でもある甲子園球場。「子供の頃から憧れの球場ではありましたし、今は職場で野球やっていますけど、そこに12球団、日本のトップレベルが集まる。タイガースファンや全国の野球ファンが甲子園球場というところで、トップの試合を見られるのでね。本物を見てもらいたい」。藤川にとってオールスターの定義は「自分のパフォーマンスを最大限に、自由に発揮していいところ」――。慣れ親しんだ主戦場で力の限り、腕を振る覚悟だ。(吉仲 博幸)

○…藤川(神)が7年ぶりの球宴選出。初出場の05年から8年間で登板11試合は現役最多。今回登板なら阪神では江夏豊(14試合)に次ぐ2番目となる。

☆初出場 05年に中継ぎ部門でファン選出。第1戦(7月22日)は2三振を含む1回無失点。甲子園で開催された第2戦(23日)は全セ・落合監督の計らいで9回を任され、公式戦未経験だったセーブを挙げ、優秀選手賞に輝いた。

☆予告ストレート 06年第1戦(7月21日)でカブレラに向かって直球の握りを見せた上で全球直球。カウント1―2からの4球目で空振り三振に仕留めた。

☆火の玉 06年第2戦(7月23日)。8回2死から代打で登場した清原から全球直球で最後は152キロで空振り三振を奪い、「参りました」とうならせた。

☆3者連続三振 10年第1戦(7月23日)で球宴9度目の登板にして初の1イニング3者三振。里崎、片岡はいずれもフルカウントから、中島は3球勝負で斬り、選出時の会見で「3つ三振を取りたい」と宣言した通りの快投を見せた。

☆メジャー移籍前最後 12年第2戦(7月21日)で糸井と陽岱鋼を空振り三振を奪うなど3者凡退。バッテリーを組んだ巨人・阿部について「キャッチングがうまい。久々にびっくりしました」と自軍捕手陣への叱咤激励とも取れる言葉を残した。

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2019年7月2日のニュース