広島 両リーグ最速30勝、誠也バット折られても逆転お膳立て同点打

[ 2019年5月30日 05:30 ]

セ・リーグ   広島5―3ヤクルト ( 2019年5月29日    神宮 )

<ヤ・広>中崎からウイニングボールを受け取る大瀬良=左(撮影・篠原岳夫)
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 広島は29日のヤクルト戦に5―3で今季12度目の逆転勝利を飾り、両リーグ最速で30勝に到達した。4番・鈴木誠也外野手(24)が初回に15号先制2ランをバックスクリーンへ運ぶと、1点を追う5回には左翼線同点二塁打で3打点目を挙げ、逆転劇をお膳立て。94年8月の球団記録に並ぶ月間18勝目を挙げた。

 打って欲しい場面で打つ。それが4番打者だ。1点を追う5回、29分間の降雨中断が明け、バティスタが空振り三振した2死一、三塁で打席に鈴木。カウント2―2からの内角直球にバットをへし折られながらも、鋭いスイングで左翼線にライナーを飛ばした。

 「みんながつないでくれた好機。走者を還せてよかった。得点圏だったので集中することだけを考えました」

 逆転劇をお膳立てする同点二塁打。初回から4番打者のバットは全開だった。2死一塁に四球のバティスタを置き、初球の真ん中高め150キロをいきなりバックスクリーンへ。「先制点につながってよかったです」。4試合ぶりの15号先制2ランに笑顔がのぞいた。

 試練の右足首骨折から1年9カ月。患部は順調に回復し、走塁でも本来持つスピードが戻りつつある。同点二塁打を放った5回、なおも2死二、三塁の場面では、西川の遊撃内野安打で一塁送球が乱れたスキを突いて三塁を蹴り、一気に5点目のホームを踏んだ。

 「(三塁コーチの広瀬)純さんが手を回していたので。スキを突くのは当然。今はそれができています」

 今季は既に8盗塁。当初掲げた3割30本30盗塁も、あながち難しくはないように思えるが、本人は笑って首を横に振る。「個人目標としてはいいけど、そういう感じじゃなくなってきました。勝てばいい」。4番としてチームの勝利にどう貢献するか。意識の重心は大きく変わった。

 4月の低迷から逆襲に転じ、両リーグ最速の30勝到達。3打点を挙げて貢献した4番打者に緒方監督は「バティスタが倒れた後、誠也の一打が相手投手にショックを与えたと思う。4番の仕事をしてくれた」と絶賛した。

 2試合を残す中で、94年8月にマークした球団記録に並ぶ月間18勝目。25年ぶりに記録更新へ、元気な主砲が攻守だけでなく走でもチームをけん引する。(江尾 卓也)

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2019年5月30日のニュース