大谷「ラッキー」V打、復調兆し 日本人初球宴DH選出アピール

[ 2019年5月30日 02:30 ]

ア・リーグ   エンゼルス6―4アスレチックス ( 2019年5月28日    オークランド )

<アスレチックス・エンゼルス>9回、右前に決勝の2点打を放つ大谷。投手ソリアー
Photo By 共同

 エンゼルスの大谷翔平投手(24)が28日(日本時間29日)、敵地アスレチックス戦で同点の9回に決勝の右前2点打を放った。2回には一塁内野安打を放ち、11試合ぶりのマルチ安打で復調の兆しを見せた。7月9日(同10日)のオールスター戦(クリーブランド)のファン投票が開始。DH部門で2年連続ノミネートされた日に、自身初選出へ景気づけの2安打となった。

 一塁塁上で手を叩き珍しく感情をあらわにした。9回2死二、三塁。大谷の放ったライナーが右前に弾んだ。決勝の2点適時打。雨天によるサスペンデッドゲームを挟み、10連勝中だったアスレチックスを止めた。

 「最後に甘い球が来たので、全体的に運が良かった打席だった」

 追い込まれてから4球目の際どい外角カーブはボールの判定。「審判も人間なので、100%正確ではない。あの球がボールになってくれたのはラッキーだった」。6球目、真ん中に入った95マイル(約153キロ)を叩いた。「運が良かった」と「ラッキー」を計4度も口にしたものの、甘い球は逃さなかった。

 2回には一塁内野安打。球宴ファン投票が始まった日に11試合ぶりのマルチ安打で好アピールした。ただ、過去7試合で24打数3安打。しかも、過去5試合20打席で7個のゴロアウトを数え、決して状態は良くない。

 「上を叩いている感じなのでラインドライブも多いし、ゴロも多い。本来ならもう一つ(タイミングを)遅らせてバットを(ボールの)下に入れればもっと良い打球が打てる」

 ここ数日は改善策に打撃練習時や試合のネクストバッターズサークルで、打席での「すり足」気味のフォームではなく、一本足打法での素振りを多く取り入れた。球を呼び込むための意識付けが、最終打席で実を結んだ。

 打率・239、2本塁打、11打点。日本野手4人目、日本選手のDH初となる選出へ道のりは、決して平たんではない。しかし、今が本来の姿でもない。

 「全体的に良くない打席が多い。そこは技術がなかったりとか、野球があまりうまくないというところ。もっと成長していけば数字も付いてくるし、いい打席が多くなる」

 貴重な一打は、完全復調へ大きなきっかけとなるはずだ。(柳原 直之)

 ▼アスレチックス・ソリアー(大谷の4球目のボール判定に納得がいかずイニング間に球審に暴言を吐き退場)判定ミスも含めて試合の一部だが、それをしてはいけない場面もある。

 ▼エ軍ブラッド・オースマス監督(大谷の決勝打に)大きな一打。これで調子が上向くと思う。

 ≪球宴選考方法が変更≫今年は選考方法が変わり、6月21日(日本時間22日)まで1次投票が行われ、各ポジションの上位3人(外野手は上位9人)が同26日(同27日)からの最終投票に進む。結果は米東部時間の同27日午後7時(同28日午前8時)に発表される。投手と控え野手は選手間投票などで決まり、30日(同7月1日)に発表。「最後の1人」を選ぶ投票は行わない。

続きを表示

この記事のフォト

2019年5月30日のニュース