ヤクルト13連敗…村上が清原以来、球団初の10代4番弾も空砲“雨らめし”中断後逆転許す

[ 2019年5月30日 05:30 ]

セ・リーグ   ヤクルト3-5広島 ( 2019年5月29日    神宮 )

初回1死二、三塁、村上(右)は逆転3ランを放ちナインとハイタッチ(撮影・村上 大輔)
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 試合後、恒例のベンチ裏でのスイング。ヤクルト・村上は黙々とバットを振り続けた。

 「明日、勝てるように頑張りたい。勝って連敗を止めることしか考えていない」

 2点を追う8回2死一、二塁にフランスアの156キロ直球に空振り三振。17年7月の14連敗以来2年ぶりの13連敗を喫し、19歳は悔しさをかみしめた。

 大瀬良はデビューから10連勝を許している天敵だった。小川監督は「総合的な判断」と言い、昨季9打数無安打だったバレンティンを先発から外した。右腕に対し、左打者を6人並べ、左の村上が今季2度目の4番に抜てきされた。2点を追う初回に1死二、三塁から初球、内角の149キロ直球を強振。強烈な一撃は右中間席へと消えた。2戦連発となる一時逆転の14号3ラン。「とにかく後ろにつなぐ意識でコンパクトに打つことを心掛けた。芯に当たった」。本塁打はリーグ3位タイ。打点も広島・鈴木とともに、リーグトップタイの41に伸ばした。

 10代4番の本塁打は87年の清原和博(西武)以来32年ぶりで、球団初の快挙となった。「(清原以来は)意識していない。打順は関係ない」。そう振り返ったが、見事な一発回答。日々の努力が実った。打席に入る前、足を上げる際に右膝と右肘をぶつけてから素振りをする。試合前練習のティー打撃でも繰り返す。打席ではやらないが、石井打撃コーチは「間を取るため」と意識付けの一環である。今季はノーステップ打法を試していたが結果が伴わず、石井コーチの指導で右足を大きく上げるフォームにして、タイミングの取り方が向上。本塁打量産につながっている。

 それでも勝利は遠かった。3―2の5回1死一、三塁で雨脚が強くなり試合が29分中断。再開後に先発の高橋が逆転を許した。19歳の記録的一発も勝利にはつながらず、小川監督は「中断もあったが、それも野球」と言った。何もかもがうまくいかない。 (黒野 有仁)

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2019年5月30日のニュース