中畑清氏 憤り覚えた雨中のDeNA―ヤクルト戦 コールドの基準明確化を

[ 2018年5月15日 09:10 ]

13日のDeNA―ヤクルト戦、7回に三塁へ滑り込んだ二走・柴田は滑りすぎてベースを越える
Photo By スポニチ

 【キヨシスタイル】ひどい雨の中、どこまで試合を引っ張るんだよ。テレビの前で憤りを覚えたね。母の日の13日、横浜スタジアムで行われたDeNA―ヤクルト戦だ。

 試合開始時は降っていなかった雨が次第に強くなり、マウンドに何度も砂を入れての続行。DeNAが5―3とリードして迎えた5回表、ヤクルトが0点に終わって試合が成立した。

 この時点でコールドゲームを宣告しても現場は文句を言わない。悪天候の試合は5回までリードしておくのが鉄則。それができなかったヤクルトは負けを覚悟していたと思う。

 プレーボールをかけるかどうか判断するのは主催球団。かつては「チームコンディション不良?」という中止もあったけど、試合が始まれば続行か否かの決定権を持つのは審判団だ。今回のクルーは試合が成立しても止めず、その裏DeNAが2点を追加して4点差になっても試合を続けた。

 人工芝の球場は雨がやんでアンツーカーに砂を入れればできる。9回までやるのが原則なのだろうが、今は雨雲レーダーでかなり正確な予報ができる。降り続く見通しなら早く線を引くべきだ。

 なのに試合を続け、ようやくコールドゲームを宣告したのは7回裏、DeNAが3点追加してからだ。10―3になってやっと。高校野球の予選じゃないってんだよ。

 雨中の泥んこ試合といえば、甲子園球場で行われた去年のセ・リーグCSファーストステージ第2戦の記憶が鮮明だ。こちらは土のグラウンド。日程的に余裕がない中、阪神園芸さんの懸命の整備で9回までやれてDeNAが13―6で勝った。

 この一戦は両軍選手が集中して緊張感のあるナイスゲームだったが、母の日のハマスタは違う。空振りしたときにバットを滑らせたバレンティンなんて露骨に「こんな雨でまだやるのかい」てポーズをしてたもんね。

 足元が緩み、スライディングしたら何メートルも先まで滑っていく。選手のケガが怖いし、ずぶ濡れで集中力に欠けたプレーを見せられるファンもたまったもんじゃない。

 全国的な梅雨入り間近。雨中の試合をどう裁くか。選手、ファン目線に立った明確なコールドゲームの基準を考えてもらいたい。(スポニチ本紙評論家・中畑 清)

続きを表示

2018年5月15日のニュース