【石井一久 クロスファイア】菅野、岸、涌井…ハワイ自主トレ心境は三者三様

[ 2018年1月17日 09:30 ]

ハワイで自主トレ中の巨人・菅野(右)を取材する石井氏
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 プロ野球選手にとって、1月は2月1日からのキャンプに向けた大事な自主トレの期間。しかし、その位置付けは選手によって違う。先週、日本球界を代表する3人の投手の自主トレを取材するためにハワイを訪れた。

 まずは巨人の菅野。12月中旬からハワイで体を動かしており、真っ黒に日焼けし、表情も充実しているように見えた。昨季は沢村賞を獲得。今年は「最高のシーズンを送った次の年」となり、当然プレッシャーもあると思う。そんな中、僕が見ていて、いい雰囲気を感じたのは、宮国、桜井、畠ら後輩投手を引き連れて、大人数でやっていること。一緒に生活する中で自分の経験やトレーニング方法、調整の仕方などをアドバイスしている。後輩の疑問について考え、答えを導き出すことは、菅野自身の成長にもつながると思う。

 次に向かったのは、楽天の岸と、メジャー移籍を目指す涌井。僕は西武時代に彼らと一緒にハワイで自主トレを行っていたが、今はそれぞれチームも分かれ、今年は立場も違う。楽天2年目の岸は、落ち着いて自分のペースでできている。移籍1年目はキャンプインの時から自分を見せようとしてしまうので、自然とペースも崩れがちになる。しかし、今年は何の不安もなく、自主トレを行っているようだ。

 一方、今季どこでプレーするか分からない涌井は正直、心中は複雑だと思う。このオフのメジャーのFA市場は「歴史的」と言われるほど、動きが遅く、FA選手の半分以上がまだ移籍先が決まっていない。しかし、こればかりは自分でコントロールできない。どんな状況に置かれてもマイペースを貫くのが、涌井のいいところ。今、やるべきことに集中して、黙々と体を動かしていた。

 三者三様の自主トレだが、目指すゴールは一緒。チームを勝利に導くために、最高のパフォーマンスを見せることだ。最後に。来年も、ハワイで第2弾の取材をしたいので、特に後輩の岸と涌井には頑張ってもらいたい。 (本紙評論家)

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