プロ野球新の7試合連続2桁奪三振を達成した則本の5年目の転機

[ 2017年6月5日 09:30 ]

1日の巨人戦の8回2死、阿部からこの日12個目の三振を奪い、ガッツポーズする楽天・則本
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 楽天のエース・則本昂大投手が、1日の巨人戦(koboパーク宮城)で7試合連続2桁奪三振のプロ野球記録を成し遂げた。トルネード投法で一世を風靡(ふうび)した元近鉄の野茂英雄(91年)の記録を塗り替える快挙。両投手に共通しているのは、150キロを超える直球にフォークを武器に持っていることだ。

 三振を奪うパターンとしては直球で追い込み、フォークで仕留める。対戦する打者はスライダーなど横の変化はバットに当てることができても、目線が上下する縦の変化への対応は難しい。ただ、現代の野球では、フォークは「振らない球種」になりつつある。ボールを手元まで引きつけて打つ打者が増えたためだ。

 投げる側もツーシームやカットボールなど、いわゆる「動く速球」を駆使するようになった。ボールを深く挟み、落差が大きいフォークは見極められ、振ってくれない。そのため、フォークよりもスピードがあり、打者の手元に来て落ちるスプリットを使う投手が増えている。「動く速球」のひとつと言える。

 その第一人者がヤンキースの田中だ。楽天時代の5年目にプロ入りのときから使っていたフォークを封印し、スプリットに切り替えた。11年の久米島での春季キャンプだった。ブルペンでフォークを投げず、スプリットばかりを投げていたため、聞いてみると「フォークはもう投げません」と言った。そしてスピリットを使う理由を明かしてくれた。「スプリットは直球と軌道が同じなので効果的。抜けやすいフォークよりも失投が少ないし、リスクを減らすためですよ」。田中は同年、自己最多(当時)の19勝を挙げてさらなる飛躍を遂げた。メジャー移籍後も「魔球」と称され、最大の武器にしている。

 則本も今季、先輩の田中と同じ5年目を迎え、フォークとの併用でスプリットを使い始めている。田中から伝授されたのは2年前にさかのぼり、今季、西武からFAで移籍した「二本柱」の岸にも投げ方を教えている。ボールゾーンで勝負するフォークは必然的にボール球が増えるためで「スプリットならストライクゾーンで勝負できる」と球数を減らすために効果を発揮している。使い始めた動機こそ少し違うが、田中と同じようにウイニングショットにしている。同じ5年目の転機。「落ちる速球」が、バットを振らせる最善策となっている。(記者コラム・飯塚 荒太)

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