東洋大7季ぶり1部昇格!ヤクルトのドラ1右腕・原3戦285球

[ 2015年11月11日 05:30 ]

<東洋大・駒大>完投勝利を挙げた原

東都大学野球入れ替え戦・3回戦 東洋大10―1駒大

(11月10日 神宮)
 3回戦が行われ、2部1位の東洋大が、駒大を10―1で下して2勝1敗とし、12年秋以来7季ぶりの1部復帰を決めた。今秋ドラフトでヤクルト1位指名のエース右腕・原樹理投手(4年)が3戦連続登板ながら、1失点完投。3戦計285球を投げた。駒大はDeNA1位指名の左腕・今永昇太投手(4年)が先発も6回途中9失点KO。ドラフト1位対決をものにできず、チームは10年秋以来の2部降格となった。

 持てる力を振り絞った。こん身の140キロで最後の打者を遊ゴロに仕留めた原は、帽子で顔を隠して震えるように静かに泣いた。

 「ホッとした。終わったんだという気持ち。1部に上げなきゃという思いが強かった。肩の荷が下りた」。エースに主将。背負った大きな責任を果たした右腕は、しばらく涙が止まらなかった。

 7日の1回戦で先発して8回110球、9日の2回戦は救援して4回2/3で59球を投げていたが「どうしても投げたい。ここで先発しなかったら今まで何のためにやってきたのか」と首脳陣に先発を志願。2回までに4四死球と序盤こそ乱れたが「ここで引いたら負け」と持ち前の強気で内角を攻め抜いた。前日の2回戦で外角球を多投して伏線を張っていた効果もあり「的を絞らせない投球ができた」。4安打1失点116球で完投。DeNA1位指名の今永に投げ勝ち、4日間3試合で計285球を投げ抜いた。

 1、2部通算57試合で20勝13敗、15完投10完封とフル回転。名将・高橋昭雄監督の妥協を許さない指導が鉄腕を生んだ。「僕が良いと思っても監督は駄目と。認めてもらおうと頑張って投げていたら200球超えたこともあった。その練習のおかげ」と振り返る。悲願の1部復帰を置き土産に、同じ神宮を本拠地とするヤクルトへ進む。「後輩も頑張ってくれると思う。僕もここで投げられるように頑張りたい」。仕事を果たした鉄腕の顔は、達成感と希望に満ちていた。(松井 いつき)

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