今江 涙のFA行使、新天地へ…球団条件は単年契約&年棒ダウン

[ 2015年11月11日 05:30 ]

涙ながらにFA権を行使することを宣言したロッテ・今江

 プロ野球のフリーエージェント(FA)権行使の申請期間が10日で終了し、この日までに6選手が行使の手続きを取った。海外FA権を保有していたロッテの今江敏晃内野手(32)はQVCマリンフィールド内で会見を開き、涙ながらに権利行使を表明。FA宣言後の残留を認めないロッテと決別し、国内移籍を目指す。申請手続きを行った選手は11日にコミッショナー公示され、12日から契約交渉が可能となる。

 悩み抜いた末の決断だった。愛着のあるロッテを去ることを決めた今江は会見で、込み上げてくる感情を抑えきれなかった。「悩んで悩んで、きょうの朝に決めました。数え切れないほどの思い出があり、どちらかというと寂しい気持ちが大きい」。何度も声を詰まらせ、涙を拭った。

 生え抜きの自負とチームへの愛情は誰よりも強かった。PL学園から01年ドラフト3巡目でロッテ入り。05年と10年にはともに日本シリーズで最高殊勲選手に輝く活躍を見せ、日本一に貢献した。13年オフには国内FA権を行使することなく、2年総額4億円で残留を決めた。将来はロッテで指導者になるという夢もあったが、関係者の話を総合すると、今回、球団側から提示された条件は単年で年俸もダウン。2度の残留交渉で溝が埋まることはなかった。

 「球団からいろいろな言葉をもらいましたけど…。まさかこんなことになるというイメージはしていなかった。“8番”のユニホームを着ているファンの方々のことを考えると、寂しくて寂しくてたまらない」

 ロッテはFA権を行使しての残留を認めておらず、残りの野球人生を新天地に懸ける覚悟を決めた。「自分を必要としてくれているならどこでもいい。これをいいきっかけにして、今までとは違う自分を出していきたい」。決断が間違っていなかったことを証明するためにも、もう後ろは振り返らない。(重光 晋太郎)

 ▼ロッテ・林信平球団本部長(残留交渉を担当)球団の顔だし、選手としても中心的役割を果たしていたので、残念です。宣言した以上、残留はないと言っている。その方針は変わらない。

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