阪神・藤浪「ウル虎気持ちいい」 自己最多152球完封熱投8勝

[ 2015年7月25日 05:30 ]

<神・D>黄色く染まったスタンドをバックに力投する藤浪

セ・リーグ 阪神3-0DeNA

(7月24日 甲子園)
 混戦セ・リーグに6月12日以来、実に42日ぶりに2つの貯金チームができた。阪神はDeNAに3―0で快勝し、3連勝で7月6日以来の貯金1。藤浪晋太郎投手(21)が自己最多152球の熱投でプロ入り2度目の完封を飾りリーグ2位タイの8勝目を挙げた。ヤクルトは大引啓次内野手(31)が4回に決勝アーチ。今季初の5連勝で同じく貯金1とした。

 鮮やかな黄色に染まった甲子園のスタンドに向かって藤浪が声を上げた。「ウルトラ気持ちいいです!」。「ウル虎の夏2015」と銘打たれ、来場者に黄色ジャージーが配布された一戦でプロ2度目の完封。チームに貯金1をもたらした。

 「何よりイニングを投げたいと言ってきて、結果で示せた。気持ちいい以外にない」

 自己最多152球の熱投。その一球一球に藤浪の凄さが詰まっていた。この日の投球を支えたのは「捕手を突き抜けて、バックネットに当たるイメージ」の直球だった。

 立ち上がりからアクセル全開。先頭・石川から154キロ直球で奪った空振り三振を手始めに、自らのバント処理ミスで招いた3回1死二、三塁のピンチでも石川を154キロ直球で空振り三振に仕留めた。圧巻は9回1死一、二塁。149球目で153キロを叩き出し、代打・後藤を空振り三振にねじ伏せた。自己最多となるシーズン6度目の2桁12奪三振。そのうち11個を、最速157キロを計測した直球で奪った。

 ベンチの「信頼」を物語る完封でもあった。7回終了時で123球。それでも最後まで任せてもらえた。「(首脳陣から続投か交代か)聞かれず任せてもらえたのは信用してもらえている」。また一歩、「エース」へ前進した。

 前半戦最終登板だった11日の巨人戦(東京ドーム)では自己ワースト7与四死球、同自責点7、自己ワーストタイ7失点と精彩を欠き、5敗目を喫した。その夜、能見から夕食に誘われた。投手陣のリーダーは「愚痴があれば言えよ」と後輩を気遣ったが、藤浪は首を横に振ったという。「愚痴は言いません。全部、自分が悪いので」。言い訳はしない。敗戦の責任は自分で背負う。逃げ道をつくらず、後半戦最初のマウンドに臨んだ。

 「最後までマウンドを守るのは、投手としては一番うれしい」。自己最速ペースとなる7月中の8勝到達。球宴MVPの実力を示した男の存在感は、まさにウルトラ級だった。

 ≪152球は自己最多≫藤浪(神)が5月20日の巨人戦以来、プロ2度目の完封。投球数152はプロ初完投勝利の14年7月15日中日戦の143球を上回る自己最多。シーズン6度目の2桁奪三振も昨季の5度を上回り自己新だ。目下リーグトップの132奪三振で、2位メッセンジャー(神)113に19個差。

 ≪セ首位チームの連敗を7で止めた≫この日は同率首位の阪神、ヤクルトが勝利。7月12日の巨人から続いていたセ首位チームの連敗を7で止めた。

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