26年ぶり先頭弾!エ軍トラウト 史上初2年連続米球宴MVP

[ 2015年7月16日 05:30 ]

<ナ・ア>MVPに選ばれたトラウト(AP)

大リーグ第86回オールスター戦 ア・リーグ6―3ナ・リーグ

(7月14日 シンシナティ)
 大リーグの第86回オールスター戦は14日(日本時間15日)、レッズの本拠グレートアメリカン・ボールパークで行われ、ア・リーグが3連勝を飾った。初回に球宴26年ぶりの先頭打者本塁打を放ったエンゼルスのマイク・トラウト外野手(23)が、史上初の2年連続MVPを獲得。ナ・リーグは地元レッズのアロルディス・チャプマン投手(27)が160キロ以上を連発し、観衆を沸かせた。アは通算成績を41勝43敗2分けとし、今年のワールドシリーズ本拠地開幕権を手にした。

 クラブハウスに戻ったトラウトを待っていたのは、野球殿堂のスタッフだった。お目当ては、2度目のMVPを勝ち取った33・5インチ(約85センチ)のメープルのバット。過去4人しかいない快挙だが、2年連続となると史上初だ。23歳の若きスーパースターは笑顔で「相棒」を差し出した。

 「オールスターで2度もMVPを獲れるなんて、信じられない名誉。試合にも勝てたしね。それが一番、大きいよ」

 初回、アの1番打者として、今季両リーグトップの防御率1・39を誇るグリンキーが1ボール2ストライクから投じた外角高め94マイル(約151キロ)の真っすぐを叩いた。ライナーで逆方向の右翼ポール際に突き刺す先制ソロ。「最初は凄く興奮したけど、追い込まれてからは、落ち着いて真っすぐだけに的を絞った」。史上6人目の球宴先頭弾は、NFLとの二刀流で活躍したボー・ジャクソンが89年に記録して以来、26年ぶりだった。

 33選手が初出場と世代交代を象徴した今年の球宴。その代表格が、すでに4度目の出場となったトラウトだ。元ヤンキースのスーパースター、ジーター最後の球宴となった昨年は、先制三塁打と決勝二塁打でMVP。12年には単打も放っており、史上9人目の「球宴通算サイクル安打」も達成した。

 試合後は、故郷のニュージャージー州にチャーター機で向かった。手配したのは、同郷で前夜の本塁打競争を制したフレージャー。トラウトは「1カ月ほど前に彼から電話をもらったんだ」と明かし、フレージャーは「費用はマイクにおごってもらうよ。フライトは楽しくなりそうだ」と周囲を笑わせた。「同乗者」には2人が手に入れたトロフィーも加わった。

 通算755本塁打のハンク・アーロンら多くのレジェンドが姿を見せた「真夏の祭典」。今季3冠王も視野に入れるトラウトは23歳にして、偉大な名プレーヤーに肩を並べようとしている。(シンシナティ・奥田秀樹通信員)

 ◆マイク・トラウト 1991年8月7日、ニュージャージー州生まれの23歳。09年ドラフト1巡目(全体25番目)でエンゼルス入りし、11年に19歳でメジャーデ ビュー。12年には史上最年少で「30本塁打&30盗塁」を達成し、新人王を獲得した。昨季は打率.287、36本塁打、111打点でア・リーグMVP獲得。1メートル88、107キロ。右投げ右打ち。

 ▽球宴での通算サイクル安打 トラウトは初出場の12年に中前打、13年に右翼線二塁打、昨年は右中間三塁打と左翼線二塁打を放ったのに続き、今年は本塁打。5回に代打で左前適時打したフィルダーも史上10人目の達成者となった。過去にはウィリー・メイズ、テッド・ウィリアムズ、ロベルト・クレメンテ、アーニー・バンクスら、そうそうたるメンバーがいる。

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