バレンティン ママに怒られた日本タイ記録「何で私を待たなかったの」

[ 2013年9月13日 06:00 ]

<ヤ・広>6回1死、見逃し三振に倒れるバレンティン

セ・リーグ ヤクルト6-12広島

(9月12日 神宮)
 安打を打ったにもかかわらず、球場中がため息に包まれた。3打席ノーアーチで迎えた8回1死一塁の第4打席。ヤクルトのバレンティンは、河内の高めに浮いた直球を中前に運んだが、待望の新記録はお預け。不発のまま代走を送られ「聖域」への挑戦はひと休みとなった。

 「特別な感情はなかった。長いシーズンだから打ち損じることもある。機械じゃないから毎日毎日打てるわけじゃない」と苦笑いを浮かべた。

 この日、母・アストリットさん(64)が、オランダ・アムステルダムから初来日。母を出迎えるため、ナイター後にもかかわらず、朝7時起きで成田空港に向かった。睡眠時間はわずか3時間半。そこまでしても早く母に会いたかった。記録達成が現実味を帯びた8月ごろから来日準備を進めていたが、8月に月間新記録となる18本塁打と量産ペースが早すぎたために、プロ野球タイ記録となる55号到達に1日間に合わなかった。ネット裏から声援を送ってくれた母には試合前に「何で(55号を打つのに)私を待たなかったの」と怒られたという。だが、母は今季終了まで日本に滞在する予定。56号を目の前で見せるチャンスは十分に残っている。

 「世界の王」に並ぶ55号を放った前夜は祝福メールが殺到。返信に追われて「腱しょう炎になるほど指が痛かった」という。睡眠不足についても「言い訳にはしたくない」と言った。「残り21試合で1本打てばいい」と前人未到の56本に挑む焦りは全くなし。帰り際には母と肩を組んで満面の笑みでタクシーに乗り込んだ。最愛の母との二人三脚で、大きな壁を乗り越える。

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