星野監督 ついにXデー予告 釜田も帰ってきた1勝M13

[ 2013年9月13日 06:00 ]

<ロ・楽>3回2死一、二塁、井口の大飛球をフェンスに激突しながらキャッチする島内

パ・リーグ 楽天6-2ロッテ

(9月12日 QVC)
 三塁ベンチ裏にハイタッチを交わすナインの大声が響き渡る。敵地で2位・ロッテに勝ち越し、7ゲーム差。それでも楽天・星野監督に笑顔はない。あえて厳しい言葉を並べたのが、いかにも闘将らしかった。

 「これからは誰が勝ってもええんや。釜田?まだまだダメ!もっと低めにドンドン叩きつけていかないと」

 高卒2年目の釜田が、今季123試合目で待望の白星を手にした。1点ビハインドの5回2死三塁。指揮官は前日、約5カ月ぶりに1軍復帰した19歳右腕を、2日連続でマウンドに送り出した。井口に四球も、4番・サブローをフォークで空振り三振。すると直後の6回に打線が4点を奪って逆転した。星野監督がつぶやく。「ああいうのが流れだな」。まさにチーム一丸。1/3回無失点で、約1年ぶりの白星を挙げた釜田は「優勝への輪に加われてうれしい。開き直って、腕を思い切り振った」と満面の笑み。また1枚、頼もしいカードが加わった。

 「マジック15…。早ければ6掛け、普通にいって7掛けだな。もう首位にいて2カ月、よう頑張っとるよ」。歴戦の将が「Xデー」を予告したのは、試合前のことだった。千葉市内の宿舎。今季で監督生活16年目、歴代10位の通算1124勝の星野監督は、積み上げてきた経験と皮膚感覚で自ら「胴上げ日」を口にした。15を「0」に減らすまで6掛け、つまり「15×0・6」で残り9試合。その日は現時点で最短Vとなる21日の日本ハム戦だ。7掛け=10試合なら翌22日となる。いずれも札幌ドーム。指揮官の予言を裏付けるように、ロッテ戦の勝利でマジックは13に減った。

 13日は、開幕21連勝を目指してエース・田中がマウンドに上がる。野村克也監督が指揮を執って2位となった09年以来、球団2度目のシーズン勝ち越しは、単なる通過点でしかない。本当の歓喜の瞬間は、もうそこまで迫っている。

 ≪31度目の逆転、今季勝ち越し≫楽天が今季31度目の逆転勝利で72勝目。残り21試合を全敗でも72勝70敗2分けとなり、今シーズンの勝ち越しを決めた。楽天の年間勝ち越しは、09年の77勝66敗1分け以来4年ぶり2度目。球団記録のシーズン77勝にもあと5勝に迫った。これで、2位ロッテとのゲーム差は7.0。楽天が残り試合を10勝11敗と負け越しても、2位ロッテは17勝2敗、3位ソフトバンクは19戦全勝が逆転の条件となるため、数字上かなり有利になった。

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