女子プロ野球 14、16日にヴィクトリアS 川保が魅せる“駆け引き”

[ 2013年9月13日 04:00 ]

イーストアストライアの川保麻弥

 女子プロ野球のヴィクトリアシリーズは14日、京都市のわかさスタジアムで第4戦、16日に東京・神宮で第5戦が行われる。

 チームをオールイーストジャパンとオールウエストジャパンに分けて対戦、ここまではウエストの2勝1敗。同シリーズは5月25日以来の開催とあって、夏にレベルアップした選手のパフォーマンスが期待できそうだ。

 年々レベルを上げる女子プロ野球で、安定した実力を発揮しているのがアストライアで選手兼コーチを務めるのが川保麻弥(29)だ。捕手としてチームを支えるとともに、コーチでも指導役として若手を導く役割だ。

 4年目のシーズンを戦う川保は「当初から応援してくれているファンからは“技術面が成長した”と言ってもらえるのがうれしい。初めて見に来られる方も増えてきて、特に少年野球チームに女の子が増えてきたのが凄く大きい」とその浸透ぶりを喜ぶ。

 小2から始めた野球。近所に住む少年野球コーチからの「人が少ないし、入らないか」という誘いがきっかけだった。ピアノ、書道、水泳などの習い事もしてきたが、野球だけ「やめないという気持ちが強かった」ことで唯一ここまで続いている。

 子供の頃は本気で巨人のブルペン捕手になるつもりだった。「女性の体力、筋力では150キロのボールを投げることはできない。それなら、ブルペンキャッチャーとしてボールを捕ることなら男女関係ないんじゃないかなと思っていた」。捕手を始めたのは小5の時、骨折した先輩の代わりだった。「試合を動かすのはバッテリーだと思うし、試合を作れるというか、バッターとの駆け引きが凄く楽しい」と捕手の醍醐味を語る。相手の読みを探り、裏をかいて打ち取る、常に“感じ取る”ことを意識しないとできない勝負の奥深さだ。

 シーズンも終盤に向かうが、コーチ兼任として各選手の「プロ意識」の芽生えを感じている。所属のアストライアはルーキーが多いが、徐々に意識も高まることでチーム力の強化にもつながりそうだ。

 川保にとって、次なる夢は何か。「本当に大きな目標は女子プロ野球の監督になって盛り上げること。でもその先には各地に高校や大学の女子野球チームが増えていったときに、女子プロ野球を目指す選手を育てたい。(元ソフトボール日本女子代表監督の)宇津木妙子さんみたいに“凄い”と言われる監督になりたいですね」

 ◆川保麻弥(かわほ・まや)1984年(昭59)4月6日、埼玉生まれの29歳。埼玉栄(女子硬式)―日本体育大学(女子軟式)―新波(女子硬式)を経て10~12年兵庫スイングスマイリーズ、今季はイーストアストライアでプレー。右投げ右打ち。背番号9。

 ▽ヴィクトリアシリーズ 「オールウエストジャパン」は、ウエストフローラとサウスディオーネから「オールイーストジャパン」は、イーストアストライアとノースレイアからの選抜メンバーとなり、ベンチ入り出来る選手は各チーム18人。

【14日のカード】
オールイーストジャパン―オールウエストジャパン(わかさスタジアム、19時開始予定)

【16日のカード】
オールイーストジャパン―オールウエストジャパン(神宮、19時開始予定)

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